外壁の赤外線調査はドローンを使って効率的に!

   

コラム

外壁点検を安価で行う際に、赤外線調査とドローンを用いる方法があります。

例えば、従来の点検方法を行った場合、病院や介護施設、学校などでは、外壁点検での騒音を心配される方も多いのではないでしょうか?

今回は、外壁の赤外線調査をドローンで行う手法、シチュエーション、メリット・デメリットについてご紹介いたします。

 

外壁の赤外線調査をドローンで行う手法について

そもそも赤外線調査とは?

赤外線カメラによる赤外線調査(赤外線法)のことを指し示しています。

現在では、建物外壁タイルなどの浮きや建物の外壁のタイルやモルタルから放射されている赤外線(熱エネルギー)から赤外線カメラで感知と撮影をして、映像として解析できる赤外線サーモグラフィを用いて調査する方法です。局所的な個所の修理へ速やかにつなげるものが使われています。

浮きしろ(乖離層)が大きな場所は隙間の空気の温度が正常な壁面よりも暖まりやすいため、暖色系の色で写り、赤外線カメラでの判別が可能です。しかし、赤外線調査では直射日光が当たらない面の調査精度は低くなる傾向にあります。

ドローンと赤外線調査を組み合わせることで効率的な調査が可能に

ドローンを用いると、外壁調査の時間を短縮させられます。そして、ドローンは、建物の周囲を飛びながら撮影や調査を行うため、調査員のみでは入れなかった高所や狭小な場所も調査対象として範囲を広げられます。

このドローンと赤外線を合わせることにより、高精度で綿密に点検することが可能となります。また、高さに関係なく外壁を正面に捉えて、空中から水平に撮影できることから一度に広範囲の点検をすることが可能となります。

 

赤外線調査が行われるシチュエーション

大規模修繕

マンションやビルの大規模修繕を行うときに、赤外線調査が行われる代表的なシチュエーションです。赤外線を用いた外壁調査では、ひび割れやエフロレッセンス(白華現象)、浮き、漏水など様々な不具合を一斉に調べられることで、建物全体の不具合を見つけることができます。

さらに、赤外線カメラと可視光カメラを搭載したドローンを用いることで、調査員が直接触れて目視する作業とほとんど変わらないほどの多くの調査対象の映像を集めていくことが可能です。

雨漏り調査

雨漏り調査も赤外線調査が活用されるシチュエーションの一つです。人がのぼれない高所や人が作業に入り辛いような狭い場所であっても、赤外線検査を用いることで温度変化での映像検出ができ、雨漏りや漏水の調査を行えます。特に青の濃い部分は他の箇所よりも温度が低く、雨水が浸透していることを理解することができます。

法律に基づく定期点検

建築基準法第12条では、ビルなどの特定の建築物に定期的な点検を行うことが義務付けられており、このような点検の際にも赤外線調査が用いられます。

この点検は通称12条点検と呼ばれ、建築基準法第12条に基づいて行われる定期報告制度を指します。12条点検は、政令や特定行政庁が指定している特定建築物の所有者や管理者に義務付けられていて、定期的に1級建築士などの専門的な資格を持つ人が建築物や建築設備の調査を行い、調査や検査の結果を所管の特定行政庁に報告しなければなりません。

具体的には、建物外壁、屋上部分、建物内部、避難設備などの調査を指し示していて、外壁タイルなどの亀裂や浮きの有無、バルコニーや階段などの避難設備の操縦に妨げとなっているものの有無や避難経路が確保できているかなど、様々な調査を行います。

 

ドローンで赤外線調査を行うメリット・デメリット

ドローンで赤外線調査を行うメリット

コスト削減が可能

ドローンを用いると、赤外線調査による外壁点検費用を大幅に削減できます。特に、必要な人員を少なく済ませることができるため、人件費を減らすことができます。

さらに、高所作業車やゴンドラを用いる場合は、それらの機材を用いることで発生する機材費用を抑えられます。仮設足場を設置すると1,800〜2,500円、高所作業車では500〜900円、ゴンドラでも1,500〜2,200円かかりますが、ドローンによる調査であれば150〜450円と非常に安いです。

正確な見積もりを出せる

ドローンを用いた外壁の赤外線調査を行う場合、空中での撮影によって手軽に細部にわたる調査を行うことが可能であるため、修繕前に正確な見積もりを出すことができます。

ドローンで人の手の届く範囲を超えた調査をすると、人の手で調査して出した不十分な修繕前調査による見積もりよりも、実際の修理費用が高くなってしまうということを防ぐことができます。

安全に調査ができる

地上からドローンの映像を確認するだけで、赤外線調査を行うことができるため、外壁伝いを上り下りする必要が無いため、安全です。

また、赤外線調査用に用いる点検用ドローンは、衝突防止センサーがついていて、自動操縦できます。そのため、操縦ミスによる衝突は避けられます。

短時間での調査が可能

ドローンで赤外線調査による外壁点検を実施する場合、空中から広範囲の調査が可能となり、調査時間を短縮できます。作業員が外壁補調査する場合は打診調査を行うことが多いですが、その際に足場の組み立てやロープ、ゴンドラ、クレーン車の設置などコストと手間がかかります。

調査の記録を保存できる

ドローンをすれば、赤外線調査を行ったときに、静止画や動画で点検記録を保存することが可能です。異常が発生したときには、過去の点検履歴を映像で遡れるため、外壁の時間経過を簡単に確認することができます。

打診調査での点検結果しか遡れないことと比較すると、赤外線調査による浮きや亀裂などの箇所が明確に確認でき、経年劣化を知る上では有効な資料となります。

ドローンで赤外線調査を行うデメリット

打診調査は行えない

ドローンによる赤外線調査だと、打診調査ができません。なぜなら、ドローンでは非接触調査のみ可能で、テストハンマーで外壁を叩くことができないからです。

また、打診調査では検出可能だった「タイルやモルタルは、接しているが接着していない」状態をドローンでの赤外線調査では検出できないといった問題も発生します。

ドローンが飛ばせる場所・気候が限られている

ドローンの赤外線調査による外壁点検を行う場合、雨や風はドローンによる調査を妨げてしまいます。そのため、降水確率や風速を考えつつ、当日の天候も加味して、日程調整をしましょう。

一般的に風速が5m/s以上だと、ドローンを飛ばすことは難しくなります。上空の風は強いため、赤外線の点検を行うのが困難なこともあるため、注意が必要です。

 

外壁調査はドローンを使った赤外線調査で効率的に行うことができます。

ここまで、外壁点検にドローンによる赤外線調査を行うときの手法やシチュエーション、メリットやデメリットまでご紹介いたしました。

ドローンを活用することで、細部に至るまで見逃しがちな外壁の浮きや雨漏りの隙間、ひび割れなど様々な問題を広範囲で素早く見つけやすくなります。

ユニースでは、事前打ち合わせから現場の調査、報告書作成まで一連の流れをすべて請け負っています。特に充実した報告書から、建物の全体像に則しながら、タイルの浮き、ひび割れ、シールの不具合、エフロレッセンスという現象まで野帳につけ、写真にもおさめています。

また、各種設備や施設の調査の実績も豊富で、外壁調査や袖看板調査、蛍光塗料とブラックライトを用いた散水調査まで行っています。

周囲との環境との兼ね合いで、外壁の赤外線調査を静かにスピード感をもって安全に進めてほしい方、是非とも気軽にご相談ください。

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