ビルの外壁の種類とメンテナンスのいろはを解説
コラム 2024.4.10
ビルの外観を左右する外壁は、その種類を知ることで、より良いメンテナンスが可能になります。
多くのビルオーナーが直面する、どの外壁素材を選べば良いのかという悩みに対し、この記事では、ビルに適した外壁の種類と、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
さらに、適切なメンテナンス方法を学ぶことで、ビルの美観を保ちながら、長期間にわたる耐久性を確保することができます。
ビルの外壁の種類はどんなものがある?
ビルの外壁は、その種類によって建物の印象や機能が大きく変わります。ここでは、その特徴を5つ紹介します。
タイル張り
タイル張りの外壁は、磁器質、石器質、陶器質といった3種の素材が使用されますが、ビルに適用される場合は特に耐火性と耐久性に優れた磁器質が選ばれることが多いです。
この外壁材は、その他の種類と比較して塗り替える必要がなく、メンテナンスコストを抑えることができる大きな利点があります。しかし、タイルの継ぎ目からの水漏れや割れに注意が必要です。
モルタル壁
モルタル壁は、かつてビル外壁の主流だった素材で、砂とセメントを水で混ぜたものをコテで塗りつけるシンプルな構造です。
防火性と強度が高い一方で、防水性能が低下すると急速に劣化するため、現在ではあまり使われなくなっています。塗装の目安は約8〜10年と短めで、定期的なメンテナンスが必須となります。
ALCボード
ALCボードは、軽量気泡コンクリートから作られる外壁材で、耐火性、耐熱性、そして耐久性に優れています。ビルの外壁として広く採用されている理由の一つは、その強度です。
特に高層ビルに適しており、塗装の更新が約10〜15年周期で必要ですが、適切なメンテナンスを施せば、水分による損傷や紫外線による色褪せを最小限に抑えることが可能です。ただし、その防水性には留意が必要で、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
金属系サイディング
金属系サイディングは、スチールやアルミニウムなどの金属を用いた外壁材で、軽量かつ高い耐久性を誇ります。この種類の外壁は、既存の壁の上に容易に取り付けることができ、断熱効果にも優れています。
塗装は約10〜15年ごとに推奨されており、サビや傷に対する注意が必要ですが、適切なケアを施すことで長期にわたり美観を保つことができます。
ガラス張り
ガラス張りの外壁は、現代的でスタイリッシュなビジュアルをビルに提供します。軽量でありながら、強度を確保するために特殊な工法が用いられることが多く、コストを抑えつつ建物全体のデザインを引き立てます。
ガラス壁はメンテナンスが比較的容易で、コーティング剤の使用により汚れにくくすることも可能ですが、定期的な清掃が必要で、防汚性の向上には注意が求められます。
ビルの外壁の補修やメンテナンスのタイミングは?
ビルの外壁の補修やメンテナンスは、建物の美観を保つだけでなく、構造の安全性を維持するためにも重要です。では、いつこれらの作業を行うべきか具体的なタイミングを見ていきましょう。
タイミングは外壁の種類によって変わる
ビルの外壁の補修やメンテナンスのタイミングは、使用されている外壁材によって異なります。例えば、モルタル壁は約8〜10年ごと、金属系サイディングやALCボードは10〜15年ごとにメンテナンスを検討するのが一般的です。
コンクリート壁はさらに耐久性があり、15〜20年が目安になります。これらはあくまで基準であり、建物の立地条件や使用状況によって変動するため、定期的な点検が重要です。
ビルの外壁の補修・メンテナンスの目安
外壁の塗膜が劣化してきたら
ビルの外壁を触って白い粉が手に付く、いわゆるチョーキング現象が起きたら、それは塗膜の劣化のサインです。この現象は、外壁塗装が紫外線や雨風によって劣化し、その保護作用が低下している状態を示しています。
このような状態が見られた場合、外壁の保護機能が十分に働いていない可能性が高いため、補修やメンテナンスのタイミングと考えてください。早期の対応が、さらなる劣化を防ぎます。
色褪せや変色してきたら
外壁が色褪せや変色を起こしている場合も、メンテナンスのタイミングを迎えています。色褪せは、外壁材の耐久性が低下してきた証拠であり、ビルの見栄えだけでなく、機能性にも影響を及ぼす可能性があります。
特に、ビルが高級感を保つ必要がある場合や、入居者の満足度を維持するためにも、外壁の美観を保つことは重要です。このような変化を感じたら、専門家による診断とメンテナンス計画の策定をおすすめします。
膨れたりひび割れが目立ってきたら
ビルの外壁に膨れやひび割れが見られるようになったら、それは補修のサインです。これらの症状は、塗装の防水効果が低下し、外壁が水分を吸収して温度変化により膨張・収縮を繰り返していることが原因で起こります。
このような状態が放置されると、外壁の損傷が進行し、最終的には落壁のリスクを高めることになります。早期の補修が、安全を確保し長期的なコスト削減につながります。
外壁塗装の塗料の耐用年数が迫ってきたら
ビルの外壁塗装の耐用年数が近づいてきたら、メンテナンスの計画を立てるべきです。一般的に、アクリル系塗料は約3〜5年、ウレタン系塗料は5〜10年、シリコン系塗料は7〜15年、フッ素系塗料は10〜20年、無機塗料は10〜25年が目安です。
これらの耐用年数が迫ってきたら、塗膜の劣化や保護機能の低下を防ぐために、塗り替えやメンテナンスを検討する時期と言えるでしょう。
タイル張りやモルタル壁は劣化に要注意
タイル張りの外壁は、剥がれや浮きが見られる場合には即時の対応が求められます。一方、モルタル壁は、ひび割れや剥落が劣化のサインとなり得ます。
これらの劣化は、内部への水の侵入やさらなる損傷を引き起こすリスクがあるため、発見次第、迅速に補修を検討する必要があります。定期的な外壁のチェックは、未然に問題を防ぐためにも重要です。
ビルの外壁補修をすべき理由
ビルの外壁補修は、単に建物を美しく保つだけでなく、多くの重要な利点があります。ここでは、ビルの外壁補修をすべき主な理由を解説します。
ビルの資産価値を維持するため
ビルの外観はその資産価値を大きく左右します。劣化して放置された外壁は、見た目の悪さだけでなく、建物自体の構造への悪影響も懸念されます。定期的な外壁補修を行うことで、ビルの価値を維持し、将来的な売却や賃貸における収益性の低下を防ぎます。
さらに、耐久性が向上し、長期間にわたり安定した利用が可能となるため、投資としての価値を高めることができます。
安全性を確保するため
外壁の劣化は、見た目の問題だけでなく、ビルの安全性にも直接影響します。例えば、外壁のひび割れから水が侵入し、ビルの鉄骨が錆びることで構造的な強度が低下する恐れがあります。
また、外壁材が剥がれ落ちることで、通行人に危害を及ぼす可能性もあります。これらのリスクを避けるためにも、外壁の補修は必須です。定期的なメンテナンスにより、ビルの安全性を維持し、重大な事故を未然に防ぐことができます。
ビルの美観を保つため
ビルの外観は、そのビルの印象を大きく左右します。外壁が汚れたり、色褪せたりしていると、ビル全体が古く見え、入居者や訪問者に悪い印象を与えます。
特に、商業ビルやオフィスビルの場合、外観はビジネスのイメージに直結するため、美観の維持は非常に重要です。外壁補修によって、ビルを常に清潔で魅力的な状態に保つことができ、入居者の満足度向上や新たなテナントの獲得にもつながります。
ビルの外壁補修工事の種類
ビルの外壁補修工事は、建物の寿命を延ばし、美観を保持するために欠かせないプロセスです。ここでは、ビルの外壁補修工事の主な種類について解説します。
外壁調査
外壁の状態を正確に把握し、必要な補修範囲を特定するために行われるのが外壁調査です。この調査を通じて、ひび割れ、剥がれ、腐食といった損傷の程度や原因を明らかにします。
適切な補修方法を決定するためにも、専門的な知識を持つ業者による詳細な調査が必要となります。この段階で問題を見落とすと、後の補修工事で大きなコストがかかる可能性があるため、慎重に実施されます。
外壁清掃
外壁の汚れを落とし、建物の美観を回復させるために行われるのが外壁清掃です。汚れの種類や程度、外壁の材質に応じて、手洗いや高圧洗浄、化学薬品を使用した洗浄など、最適な方法が選ばれます。
清掃は単なる美観の向上だけでなく、塗膜の劣化を防ぎ、長期的な外壁の保護にも寄与します。定期的な清掃は、補修が必要な状態を未然に防ぐ効果もあります。
下地補修工事
外壁塗装やタイル貼りなどの上塗り工事を行う前に、外壁の下地を整えることが重要です。ひび割れや剥がれ、欠損などの損傷を修復し、外壁の平滑性を確保することで、仕上がりの美観と耐久性が向上します。
下地補修は、塗装や仕上げ材の密着を良くし、長期にわたる保護効果を高めるために欠かせない工程です。損傷の程度に応じて、パテ埋め、モルタル修復、シーリングの打ち替えなどが行われます。
外壁塗装
外壁塗装は、ビルの外観を新しく保つだけでなく、防水や断熱、紫外線からの保護といった機能的な役割も担います。塗料の種類には、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料などがあり、それぞれ耐用年数や特性が異なります。
約10〜15年が塗り替えの目安とされていますが、ビルの立地条件や使用する塗料によって前後します。定期的な塗り替えにより、ビルの資産価値を維持し、長期的なコスト削減にもつながります。
外壁タイル工事
外壁タイル工事は、タイルの剥がれやひび割れ、欠損などを修復する工事です。タイルは耐久性と美観を兼ね備えた外壁材ですが、経年や外部からの衝撃によってダメージを受けることがあります。
タイル工事には、剥がれたタイルの再固定や交換、ひび割れたタイルの補修などが含まれ、これらを適切に行うことでビルの美観と機能を維持します。
シーリング工事
シーリング工事は、ビルの外壁や窓周り、その他の建築部材の継ぎ目に充填材を施し、防水や気密性を高める工事です。紫外線や温度変化による劣化、建物の微細な動きによる亀裂などが原因で、シーリング材が機能しなくなることがあります。
定期的なシーリング工事により、雨漏りや結露の防止、エネルギー効率の向上が期待できます。
防水工事
防水工事は、ビルの屋上や外階段、バルコニーなど水の侵入が懸念される部位に対して行われます。使用される防水材にはアスファルト防水、シート防水、ウレタン防水などがあり、それぞれの特性に合わせた適切な防水処理が必要です。
防水性能の低下は、内部への水の浸入や構造体の腐食を招き、大規模な修繕を必要とする場合があるため、定期的な点検と適切なタイミングでの工事が重要です。
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