外壁タイルの打診調査が信頼できる理由と適切な調査方法のご紹介|株式会社ユニース

   

コラム, 外壁タイル調査

東京都北区赤羽を中心に、ロープアクセスによる外壁タイル調査・外壁補修を行う株式会社ユニースです。

突然ですが、外壁の調査方法の代表として「打診調査」というものをご存じですか?打診調査とは調査員が打診棒もしくは打診用のハンマーで外壁を叩き、その感触や音により浮き部を探していく調査です。調査員が至近距離で叩いて調査するので、ひび割れや損傷なども目視で同時に確認していきます。機械化できないデリケートな作業であり、調査員の耳と感触に全てがかかっています。「音だけで本当にわかるの?」「どのくらい信頼できるの?」と思いますよね。そんな疑問にお答えすべく、今回は打診調査の実態について詳しくご説明したいと思います。

まずはおさらい。外壁タイル調査の種類を一挙ご紹介!

外壁調査には大きく分類すると「非破壊検査」「破壊検査」の2種類があります。「非破壊検査」は調査対象物を破壊することなく劣化や損傷の度合いを調べるもので、代表的なものとして「打診調査」「赤外線調査」などがあります。打診調査に関しては、実際に人が外壁にアプローチし叩いて調査をしますが、赤外線に関しては外壁に接触することはありません。どちらも近年よく採用されている方法です。

一方、破壊検査とはその名の通り調査対象物(ここでは外壁)を“破壊”して劣化や損傷の度合いを調べるものです。コンクリートの一部をはつりとる「はつり調査」や、タイルを引っ張って剥がして調べる「引っ張り調査」などがあります。これらの調査をした場合には調査後の補修が必要になってきます。

よほどの劣化や損傷が懸念されない限りは、検査方法として「非破壊検査」である打診調査や赤外線調査などを選択するケースが多いです。ただ、後述しますが赤外線検査は立地や周辺環境において諸条件が揃わないと成立しない検査なので、検査のハードルの低さという意味でも打診調査が選ばれることが多いです。

 

外壁タイルの調査方法

外壁タイルを調査するには3つの方法があります。目視調査と打診調査、赤外線調査です。

目視調査では、調査員が外壁タイルにひび割れがないか、シーリングが劣化していないかなどを目で確認して調査します。また、打診調査ではタイル内に空洞がないかどうか、剥落しそうな箇所は無いかを確認していきます。タイルがだんだん剥がれてくると、タイルと外壁下地の間に空白ができていきます。それを打診用ハンマーで叩いて発見するのです。

そして、赤外線調査では雨漏りしている箇所を確認していきます。雨漏りしている箇所は他の場所よりも温度が下がって見えるので雨漏りしている箇所を発見することができるのです。

 

外壁調査対象となる仕上げ材

対象となる仕上げ材はタイル貼り、石貼りです。石貼りには乾式と湿式の2つの工法がありますが、打診調査が適しているのは湿式の方になります。湿式では、石の内側に漆喰やモルタルを埋めるので、本来は中が空白になりません。そのため、劣化していないかどうか叩いて調査することができます。一方で乾式では石の内側がもとから空洞となっているので打診調査は行うことができません。

法令では、タイル貼りと石貼りのみが10年に1度の外壁点検が定められています。そのため他の材質の場合は、現段階でそこまで点検の重要性はないと捉えても大丈夫でしょう。

 

 

打診調査の信頼性。正直、叩いただけで何がわかるの?

打診調査は100%手作業により行われます。調査員が打診棒や打診用のハンマーでタイルの一枚一枚を叩く(転がす)のですが、その音の違いでタイルの浮きや不具合を特定していきます。音だけではなく叩いた時に棒を通じて得られる感触も重要な判断材料です。不具合が起こっているタイルを叩いた時の音は、正常な状態のタイルの音と“全く違う”ので、判断に迷うこともなく特定できます。熟練の調査員などは叩いただけで“中が見える”そうで、不具合が内部のどの辺で起こっているのか(表面に近いところなのか、あるいは奥の方なのか)まで特定できるそうです。一目瞭然ならぬ一聴瞭然ですね!

比較として赤外線検査の話をすると、まず検査方法が建物の表面から放射されている赤外線(熱エネルギー)をカメラによって調べ、その温度の違いで不具合を特定するというものです。タイルに浮きがあると内部に空気層ができるので、外気温の上昇などで外壁が熱をもった場合には健全部に比べてそこだけが高温になります。これにより不具合を特定するのですが、温度が上昇している箇所は他の理由によってそうなっている場合もあるので、高温だからといって、それがイコール不具合というわけではないのです。一見お手軽な赤外線調査ですが、打診検査と比べると信頼性はまだまだのようです。

 

外壁の赤外線調査、打診調査を比較!メリット・デメリットは?

赤外線調査では、赤外線サーモグラフィを用いて表面温度を測ります。その微妙な温度の差から壁面の浮きを見つけていくことができます。また、打診調査では打診用ハンマーで人が壁を叩き、その音から浮きを見つけていきます。

 

特殊建築物定期報告義務では、外壁を10年に1度は点検し、その結果を報告しなければいけないと定められています。もちろん赤外線調査もその方法として認められているので安心です。

また、赤外線調査のメリットとして打診調査よりも費用が抑えられるという点があります。打診調査の半分ほどの費用で出来る場合もあるのでコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。

しかし、デメリットとして条件が揃わないと正しい結果が出ないという点があります。気象条件にも左右されますし、日照時間によって外壁の温度は変わるので建物の向きによっては十分にデータを取ることができない場合もあります。また、カメラの照射角度が45度を超えて行うことは難しく、横から撮らないといけなくなるので敷地があまりにも狭いとその距離を取ることができず、赤外線調査を行うことができません。最近ではドローンを使うケースも増えてきていますが、これも日照時間や気象条件に左右されやすいです。

 

打診調査であれば、上記のような条件は必要ありません。機械ではなく人間がやる調査ですが、結果の信憑性は赤外線調査よりも高いといえます。また、タイルが表面で浮いているのか、それとも中で浮いているのかなど、赤外線調査ではわからないことを確認することもできます。ただし、人が入れない場所や壁に手が届かない箇所では調査が難しいこともあります。そのような際は地上から届く範囲なら打診棒を長くするなどの対処法があります。

 

費用面を考えて赤外線調査を選んだけれど、結局うまくデータを取ることができず打診調査をすることになり、結果的により多く費用がかかってしまったというケースも中にはあるので、この2つを選ぶときには慎重に考えるのがおすすめです。

マンション・ビルの外壁調査はユニースへ

平成20年の建築基準法の改正により、10年ごとの定期的な外壁全面診断が義務付けられるようになりましたが、劣化は気付かぬうちに進行している場合もあります。長く安全に建物と付き合うためにもビルやマンションオーナー様は“10年毎”という規定に関わらず、定期的な診断をすることをお勧めします。

ユニースではロープアクセスによる打診調査を得意としております。打診調査後の報告書作成から修繕や補修にも対応しておりますので、調査から修繕までをワンストップで行うことができます。外壁について不明点や心配点がありましたらユニースまでお気軽にお問い合わせください。