外壁タイルはメンテナンス不要?点検や調査が必要な理由を解説
コラム 2024.2.14
外壁タイルはその耐久性と美観で選ばれがちですが、本当にメンテナンスが不要なのでしょうか?
この記事では、外壁タイルの点検や調査が必要な理由を深堀りし、適切なメンテナンスがいかに建物の価値を守り、長期的なコストを削減に繋がるのかを解説します。
安心と安全を保つための秘訣を、わかりやすく紹介していきましょう。
外壁タイルがメンテナンスフリーというのは本当か?
外壁タイルはメンテナンスフリーと言われることもありますが、実際にはメンテナンスする必要があります。その理由をお伝えします。
耐用年数が長いのは事実
タイルは石、ガラス、金属といった自然から得られる無機物で作られています。これらの素材は、紫外線や雨水にさらされても、化学反応を介さずに生成されるため、劣化が非常に少ないのが特徴です。このため、タイルは長期間にわたりその美しさと強度を維持することができます。
有機物である樹脂やプラスチックなどの外壁材と比較しても、タイルの耐久性は格段に高いです。時間が経過しても色褪せや強度の低下が少ないため、長い耐用年数を誇ります。
メンテナンスしないと事故に繋がる危険性も
タイルを壁に固定するには、モルタルなどの接着材を用いる手作業が必要です。しかし、接着材の品質が劣っていたり、施工が不適切であったりすると、タイルの剥がれや水漏れなどの劣化症状を引き起こすリスクがあります。
タイル自体は耐久性に優れていても、施工の質や使用される材料によっては、劣化は避けられません。これは、タイルが本来持つ耐久性を最大限に活かすためにも、定期的なメンテナンスと点検が不可欠であることを意味しています。
メンテナンスを怠ることは、最終的に事故に繋がる可能性もあるため、注意が必要です。
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由について解説していきます。
目地の劣化
以前は、タイルをモルタルで固定する湿式工法が広く用いられていました。しかし、モルタルは硬化すると伸縮に対応できなくなり、目地に隙間が生じたり、ひび割れが発生しやすくなるという問題があります。
これらの問題はタイルの浮きや剥がれ、さらには建物にとって深刻な問題である雨漏りに直接つながることがあります。このため、目地の劣化は定期的なメンテナンスにより対処する必要があります。
コーキングの劣化
タイル自体は耐久性が高い無機物ですが、目地で使用されるコーキングは紫外線や雨風、温度変化などの外的要因によって劣化しやすいです。
新築から3年で劣化の兆候が見られ、最大でも7年程度が耐久期間とされています。コーキングの劣化は外壁の保護機能の低下を引き起こし、建物全体の耐久性にも影響を与えるため、適切な時期に補修や交換が必要です。
浮きや剥がれ
外壁タイルは昼夜の温度差や雨風など、自然環境の影響を受けやすいです。
熱や水分の吸収による膨張と、気温が下がることによる収縮は、タイルの付着力を低下させ、浮きや剥がれを引き起こします。特に寒冷地では、水分が凍結・融解を繰り返すことでさらに付着力が弱まり、タイルの剥がれが進行します。これを防ぐためには、定期的な点検と必要に応じたメンテナンスが欠かせません。
ひび割れ
タイルは耐候性や耐傷性に優れていますが、強い衝撃によってひび割れや欠けが発生することがあります。
こうした損傷は、ひびや割れた部分から水分が侵入し、タイルの付着力を低下させる原因となります。これが最終的にタイルの剥がれにつながるため、早期の修復が重要です。定期的な検査により、初期段階でのひび割れを発見し、修理することが、建物の長期的な保全には不可欠です。
特定の建物ではタイルの定期的な調査が義務付けられている
特定の建物ではタイルの定期的な調査が義務付けられています。
12条点検について
建築基準法に基づく12条点検は、建物の安全性を維持し、大規模な事故や災害を防ぐための重要な制度です。
この制度では、公共性の高い建築物における構造の老朽化、避難設備の問題、建築設備の故障などが原因で発生する事故を未然に防ぐことを目的としています。専門の調査官や検査官が定期的に建物をチェックし、その結果を地方自治体に報告することが義務付けられています。
義務付けられる建物について
特定の建物に対して12条点検が義務付けられています。
国によって定められる基準に基づき、劇場、病院、福祉施設などの公共性の高い施設がこれに含まれます。また、地方自治体による独自の指定もあり、その範囲内では学校、共同住宅、オフィスビルなどが点検の対象となります。
これらの建物は、多くの人が日常的に利用するため、安全性の確保が特に重要視されます。
義務付けられた調査のタイミング
定期的な調査の実施タイミングは、建築物の種類によって異なります。
建物の敷地や構造に関しては、3年ごとに調査を実施する必要があります。一方で、昇降機を含む建築設備や防火設備などは、より頻繁に、すなわち1年ごとにチェックを行うことが求められています。これにより、建物の安全性や機能性を維持し、利用者の安全を守ることが目指されています。
外壁タイルの調査ならロープアクセスで行うのがおすすめ
外壁タイルの調査なら、ロープアクセスで行うのがおすすめです。その魅力をお伝えします。
ロープアクセスとは?
ロープアクセスとは、特殊なロープやハーネスを使用して、高所や難アクセスな場所での作業を可能にする技術です。
この方法は、建築物の外壁や橋梁の点検、修理、清掃などに広く利用されています。従来の足場を組む必要がなく、作業員がロープを使って直接作業場所にアクセスします。安全性と効率性を両立させるために、専門のトレーニングを受けた技術者によって実施されます。
ロープアクセスの魅力
費用が安い
ロープアクセスの最大の魅力の一つは、そのコストパフォーマンスの高さにあります。
従来の足場を設置する方法と比較して、ロープアクセスははるかに低コストで実施できます。足場の組立てや解体にかかる費用、時間、労力が不要なため、全体的なプロジェクトコストを大幅に削減することが可能です。この費用効率の良さは、特に予算を抑えたい建物のメンテナンスや調査において大きな利点となります。
工期が短い
ロープアクセスによる作業は、工期の短縮にも寄与します。
足場の組立てや解体にかかる時間を節約できるだけでなく、作業準備から完了までのプロセスがスムーズに進行します。ロープアクセスを用いることで、直接作業箇所にアクセスし、迅速に作業を行うことができるため、緊急の修理や定期的なメンテナンスに素早く対応することが可能になります。
防犯性が高い
ロープアクセスは防犯性の面でもメリットがあります。
足場を設置すると、それが不正侵入の手段となり得るリスクがありますが、ロープアクセスの場合はその心配がありません。作業終了後はロープや設備を撤去するため、外部からのアクセスが困難になります。この特性は、特にセキュリティを重視する施設や建物にとって、大きな魅力となるでしょう。
ロープアクセスでの外壁調査ならユニースにお任せください
外壁タイルのメンテナンスや調査には専門性が求められますが、ユニースではその任を熟練した技術者が担当します。
これらの技術者は高所作業に必要な高度な技術を身につけており、安全を最優先に考えた作業を行うことができます。安全対策に関しても徹底しており、万全の体制で事故やトラブルのリスクを極力低減しています。
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