雨漏りで火災保険は適用される?適用されるケースとそうでないケース、手順などを解説いたします
コラム, 雨漏り 2024.6.10
おうちの雨漏りをできるだけお金をかけずに修理したいとお考えですよね。
実は、自然災害(一部を除く)が原因の雨漏りであれば、火災保険を利用して修理費用を実質的にカバーできる可能性があります。ただし、火災保険で補償を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
この記事では、雨漏り修理に火災保険を利用するための条件や、保険申請の手順などについて詳しく解説します。
雨漏りで火災保険が適用されるケースとされないケース
火災保険が適用されるケース
風災
・強風で屋根が壊れた
・強風で屋根材が飛ばされた
・瓦屋根の漆喰が強風で剥がれた
・割れた窓ガラスから雨が入り、家の中が水浸しになった
・割れた窓ガラスから飛来物が飛び込んで家具が傷ついた
雪災
・雪の重みで屋根や雨樋が壊れた
・雪の重みでカーポートが倒壊した
・雪崩に巻き込まれて家が倒壊した
雹災
・雹で窓ガラスが割れた
・割れた窓ガラスから風が吹き込んで家具が傷ついた
・雹の衝撃で屋根材が傷ついた
火災保険が適用されないケース
経年劣化
経年劣化は、紫外線や気温の変化などが原因で、建築物の品質が時間とともに低下する現象です。
経年劣化による雨漏りの場合、通常は火災保険の対象外です。屋根や外壁は必ず年月とともに劣化・老朽化しますので、その劣化による全ての雨漏りを保険が補償するというわけにはいきません。保険会社がそのような対応をすると、財政的に持たなくなります。
雨漏りの原因となる外壁のひび割れや塗装・シーリング材の剥がれ、雨樋の詰まりなどが見つかった場合は、すぐに修理することが重要です。特に築年数が10年以上経っている建物は、定期的なメンテナンスを行い、経年劣化による雨漏りを防止することが求められます。
初期不良
新築時の初期不良による雨漏りは、火災保険の適用外です。しかし、新築から10年以内に雨漏りが発生した場合は、家の売主や施工会社に雨漏りの無償修理を請求できます。
このようなケースでは、「住宅瑕疵担保履行法」という法律が適用されます。これにより、家の売主や施工会社は「住宅瑕疵担保責任保険」への加入か、保証金の供託が義務付けられています。そのため、施工会社が経営難や倒産しても修理費用が補償されますので、安心してください。
ただし、この制度は新築住宅にのみ適用されます。築10年以内でも、中古住宅として購入した場合は対象外となりますので、購入時には注意が必要です。
施工不良
リフォーム時の施工不良により、屋根や外壁から雨漏りが起こることもあります。このような施工不良は人為ミスによるものであり、したがって火災保険の対象外となります。
リフォーム時の施工不良によって雨漏りが生じた場合、施工業者による補償を受けることができます。多くの業者はリフォーム保険に加入しており、万が一の場合に補償を受けられる体制を整えています。そのため、リフォームを依頼する際には、保険に加入している業者を選ぶことが重要です。
雨漏りで火災保険が適用されるために必要な条件
被害を受けてから3年以内に申請している
申請条件の1つは、被害が発生し、保険給付を受ける権利が得られた時から3年以内に申請することです。つまり、「法的な制約がなくなり、保険給付の権利が生じた後、3年以内に申請しないと、通常は保険給付を受ける権利が失われる」という内容です。
申請期限を過ぎると、「被害が保険でカバーされるにも関わらず、補償を受けられなかった」という事態になる可能性があります。雨漏りの修理が完了してからでも申請は可能ですが、遅延せずに早めに申請することが重要です。
被害内容が加入保険の補償対象に該当する
ほとんどの保険会社は、風災や雪災、雹災を火災保険に含めていますが、一部の会社はそれに加えて契約する必要があることもあります。確実を期すために、ご自身が加入している保険証券をご確認いただくことをお勧めします。
損害額が一定金額を上回っている
火災保険には、免責方式(エクセス方式)とフランチャイズ方式の2種類があります。
どちらのタイプで契約しているかによって、受け取れる金額も変わってきます。
免責方式
免責方式(エクセス方式)では、自己負担額を上回った損害額が保険金として支払われます。保険契約によっては、免責金額を設定できるため、自己負担を0円にすることも可能です。ただし、免責金額が低いほど保険料は高くなるため、火災保険を使用する頻度に応じて免責金額を選択することが重要です。
フランチャイズ方式
フランチャイズ方式の火災保険では、「損害額が一定金額を超えた場合に全額」が保険金として支払われます。一定金額を超えなかった場合には補償を受けることはできません。かつての火災保険は「損害額が20万円以上の場合に補償する」というものが一般的でしたが、最近では1万円、5万円など、細かく金額を選択できるようになっています。
雨漏りで火災保険が適用されるまでの手順
保険会社あるいは代理店へ連絡
まず、被保険者は保険会社に連絡します。雨漏りの修理を保険で希望する旨を伝え、自分の保険が雨漏りに対応しているかどうかを確認してもらいます。対応していることが確認されたら、保険会社から書類が送付されるので、その到着を待ちます。
同時に、雨漏り修理業者にも連絡して、調査を依頼しておくことも大切です。書類の作成は独力では難しいため、火災保険で雨漏り修理を行った経験のある業者に助けを求めると良いでしょう。
送付された書類の記入、提出
保険会社への連絡をすると、必要な書類が送られてきますので、それらを記入して送付しましょう。主に必要な書類は以下の4つです。
・保険金請求書
・事故状況報告書
・損害箇所の写真
・修理費見積書
「保険金請求書」と「事故状況説明書」は自分で記入する必要があります。一方、「損害箇所の写真」と「修理費見積書」は業者が作成してくれるため、雨漏りが発生した際の状況を詳しく説明しておきましょう。
これら4つの書類が準備できたら、すぐに保険会社へ送付しましょう。
現地調査を依頼する
提出した書類を確認した後、保険会社は現場調査を行います。この調査は第三者機関から派遣された損害鑑定人によって行われ、調査依頼や費用の負担は保険会社が行うため、あなたが直接行う必要はありません。
現地調査の結果に基づいて、保険金の支払い可否や支払われる保険金の金額が審査されます。
修理工事を業者に依頼する
現地調査が終了したら、雨漏り修理業者に修理を依頼します。
保険金の支払いまでには時間がかかるので、待っている間に雨漏り箇所の修理を行ってもらいましょう。
保険金支給
審査に合格すれば保険金が支払われます。
修理が完了した後に保険金が支払われる場合でも、事前に撮影した写真から自然災害による雨漏りが確認されれば、火災保険の適用範囲内に含まれます。
雨漏りで火災保険を申請する際の注意点
条件を満たしているか確認し、適用されることを確認した後、契約する
修理業者と契約する前に、必ず火災保険が適用されることを確認してください。
保険会社の審査で、雨漏りが経年劣化と判断されると火災保険が下りず、修理費用の全額を自己負担しなければなりません。
そのため、審査結果が出る前に急いで修理業者と契約してしまうと、契約変更や解約が難しくなり、業者とのトラブルにつながる可能性もあります。
修理業者と正式な契約をするのは、保険会社の審査が確定してから行うようにしましょう。
依頼者本人が申請を行わなければならない
火災保険の申請は依頼者本人のみが行うことができます。
一部の雨漏り修理業者は、「保険の申請まで承ります」と声をかけてきますが、保険申請は必ず本人が行う必要があります。
悪徳な修理業者は保険制度を悪用して高額な契約を請求することもあるため、注意が必要です。
被害を受けてから、3年以内に申請する
火災保険を申請する際には、被害から3年以内に申請しなければなりません。時間が経つと原因特定が難しくなり、経年劣化とみなされて補償が受けられないこともあります。雨漏り被害があった場合は、早めに火災保険の申請をすることが大切です。
支払いまでは時間を要する
保険金は申請後、即座に支払われるわけではありません。通常、申請書を送付してから保険金が支払われるまでには、数週間から1ヶ月ほどの時間がかかります。
まとめ
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