マンションの雨漏りが原因不明なときの対処法と専門調査ガイド
コラム 2025.9.9
マンションで雨漏りが起きると、生活に大きな支障をきたします。しかし、雨漏りの原因がなかなか特定できないケースも少なくありません。特に複数の原因が重なっている場合や、建物の構造が複雑な場合には、原因不明のまま被害が広がってしまうこともあります。
この記事では、マンションで雨漏りが原因不明になるケースや、トラブルを防ぐための調査方法、応急処置、修理費用の負担や保険の活用まで、幅広く詳しく解説します。
「どこから雨が入ってきているのかわからない」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
マンションで雨漏りが原因不明になるケースとは?

マンションで雨漏りが発生しても、すぐに原因がわからないことがあります。以下のような理由により、調査や修理が難航することがあるのです。
複数の場所から水が侵入している
マンションの構造は複雑で、一つの場所からだけでなく、複数の箇所から同時に水が入ってくることがあります。例えば屋上と外壁のひび割れ、サッシ周りなど、複数の小さな隙間が重なって漏水につながることがあります。
このような場合、一か所を修理しても別の場所から再び水が侵入し、完全に止まらないこともあるため、原因特定が難しくなります。
また、異なる経路から侵入した水が、同じ天井や壁から染み出してくることもあり、混乱を招くことがあります。
そのため、専門家による広範囲の調査が必要になるケースが多く見られます。
配管や給排水設備の不具合が原因の場合がある
雨漏りと思っていたら、実は給排水設備の故障や配管の破損による水漏れだったというケースもあります。
上階の住戸でお風呂やキッチンを使ったタイミングと連動して水が漏れてくる場合は、配管トラブルの可能性があります。
このような場合、雨が降っていなくても水が漏れてくることがあるため、「雨漏り」ではなく「水漏れ」として扱われます。
配管は壁の中や床下に隠れていることが多いため、目視で確認できず、原因が不明になりがちです。
目視で確認できない場所に問題がある
雨漏りの原因が屋上や壁の内部、天井裏など、人の目では確認できない場所にある場合もあります。
また、建物が経年劣化していると、小さなひび割れや隙間から水がじわじわと侵入することもあります。
このような場合には、専門的な機材を使った調査が必要になります。
目に見えない部分に水が入り込むため、発見まで時間がかかることもあり、対応が遅れる原因となります。
建物の構造が複雑で原因を特定しにくい
マンションは戸建て住宅と比べて、構造が複雑なため、雨漏りの原因を特定するのが難しいことがあります。
特に、高層階や共用部分と専有部分が入り組んでいる構造の場合、どこが原因となっているのかを把握するには専門知識が必要です。
施工時のミスや、過去に行った補修工事の質によっても影響を受けます。
構造を理解している専門業者でなければ、正確な診断ができないこともあります。
マンションの雨漏りが原因不明なときに起こりやすいトラブル
原因がはっきりしないまま放置すると、さまざまなトラブルに発展する恐れがあります。
上下階の住民とのトラブルになる
雨漏りや水漏れが上下階の住戸に影響を与えると、住民同士のトラブルに発展する可能性があります。
特に下の階の住人が「上から漏れてきた水で家具が濡れた」などの被害を受けた場合、責任の所在をめぐって対立が生じることもあります。
原因が不明のままだと、「どちらに非があるのか」が判断できず、問題解決が長引いてしまいます。
こうしたトラブルを避けるためにも、早めの調査と対応が必要です。
管理組合と費用負担でもめる
共用部分が原因の雨漏りの場合、修理費用は管理組合が負担しますが、専有部分が原因なら個人負担になるケースもあります。
しかし、原因がはっきりしないと「どこが悪いのか」「誰が払うのか」で揉めてしまうことがあります。
調査費や修理費についての取り決めが明確でないと、住民と管理組合の間でトラブルになる可能性が高くなります。
費用負担については、マンションの管理規約を確認することが重要です。
カビや悪臭が発生する
雨漏りが続くと、壁や天井の内部に湿気がこもり、カビや悪臭の原因になります。
特に換気が十分でない場所では、健康被害につながることもあります。
カビが発生すると、見た目が悪くなるだけでなく、アレルギーや喘息の原因にもなるため注意が必要です。
見えない場所にカビが広がっていることもあるため、異変に気づいたらすぐに対応しましょう。
建物の劣化が進行する
雨水が建物の内部に入り込むと、コンクリートや鉄筋などが腐食し、建物自体の耐久性が低下します。
特に長期間放置すると、修理費用も高額になり、資産価値にも影響を与えます。
雨漏りは放置してはいけない深刻な問題であることを理解しておくことが大切です。
原因不明のまま時間が経つと、問題はさらに深刻化する可能性があります。
マンションの雨漏りが原因不明な場合の専門家による調査方法

雨漏りの原因が分からないときは、専門家に依頼して調査してもらうことが重要です。以下のような方法で、見えない場所の問題も明らかにすることができます。
散水調査で水の侵入経路を確認する
散水調査とは、建物の外部から水をかけて、どこから水が漏れてくるかを確認する方法です。
屋上や外壁、サッシの周囲など、疑わしい箇所に水をかけて、室内に漏れてくるかどうかを観察します。
非常にシンプルですが、雨漏りの再現性が高く、原因特定に役立つ方法です。
ただし、天候によって実施できないことや、水をかける時間によって結果が変わることもあります。
赤外線カメラで壁内部の水分を検知する
赤外線カメラを使うことで、目に見えない壁の内部の温度変化や水分の分布を調べることができます。
雨水が内部にしみ込んでいると、その部分の温度が周囲と異なるため、赤外線カメラで可視化できます。
非破壊で調査できるため、建物を壊さずに済むのが大きなメリットです。
専門的な機器と知識が必要なため、経験豊富な業者に依頼する必要があります。
ドローンで屋上や外壁を点検する
ドローンを使えば、普段目が届かない高所の点検が安全かつ効率的に行えます。
高層マンションの屋上や外壁など、足場を組むのが難しい場所でも調査が可能です。
ドローンに搭載された高性能カメラにより、ひび割れや劣化箇所の特定が可能です。
写真や動画で記録を残せるため、管理組合や保険会社への説明にも役立ちます。
スモークテストで漏水箇所を特定する
スモークテストでは、建物の内部に煙を流して、煙がどこから外に漏れるかを調べる方法です。
煙が漏れた場所から、水も同様に侵入している可能性があるため、非常に有効な手段です。
換気設備や壁の隙間のチェックにも活用される調査方法です。
この方法もまた、経験を持つ専門業者に依頼する必要があります。
漏水調査専門業者による総合診断を受ける
最も確実なのが、漏水調査専門の業者に総合的な診断を依頼することです。
これまで紹介した方法を組み合わせて、状況に応じた調査を行ってくれます。
調査結果を写真や図面で示してくれるため、修理方針も立てやすくなります。
費用はかかりますが、原因不明の雨漏りには有効な対策と言えるでしょう。
マンションの雨漏りが原因不明でも自分でできる初期チェック
専門業者に依頼する前に、まず自分でできるチェックを行うことも大切です。
天井や壁のシミの位置を確認する
雨漏りが起きた場所の天井や壁を見て、シミの位置や形、大きさを確認しましょう。
その位置から、どのあたりから水が侵入しているかをある程度予測できます。
時間が経つとシミが広がって分かりにくくなるため、早めにチェックすることが大切です。
スマホで写真を撮っておくと、後からの比較や報告にも役立ちます。
雨が降った時間と漏れた時間を記録する
いつ雨が降って、いつ水が漏れたのかを時間ごとにメモしておくことで、原因を絞り込みやすくなります。
雨の直後に漏れてくるのか、それとも時間が経ってから漏れるのかで、侵入経路の特定に役立ちます。
「漏れたタイミング=雨が降っていた場所」とは限らないので、記録は細かく残すのがおすすめです。
調査を依頼したときにも、こうした記録は大いに役立ちます。
外壁やベランダにひび割れがないか確認する
ベランダや外壁を見て、ひび割れや塗装のはがれがないかチェックしましょう。
小さなひびでも、そこから水がしみ込んで雨漏りの原因になることがあります。
特に排水溝まわりや防水シートの劣化は要注意です。
見つけた場合は、すぐに管理会社に連絡するようにしましょう。
サッシ周りに水の侵入跡がないか調べる
窓のサッシや網戸の周りを見て、水が流れた跡や黒ずみがないかを確認しましょう。
窓周りは雨が当たりやすく、経年劣化によって隙間ができやすい部分です。
ゴムパッキンの破損やコーキングのはがれも水の侵入経路になります。
こうした箇所の簡易補修で雨漏りが防げる場合もあります。
マンションの雨漏りが原因不明なときの応急処置と対処法

雨漏りが起きてしまったときは、まず被害を広げないための応急処置が必要です。
漏れている場所に防水シートをかぶせる
天井から水が落ちてくる場合は、防水シートやビニールをかぶせて家具や床を保護しましょう。
タンスやベッドの上に水が落ちると、家具が傷んでしまいます。
応急的でも、水の通り道を変えることで被害の拡大を防げます。
ホームセンターなどで購入できる簡易シートを常備しておくと安心です。
バケツやタオルで水を受けて被害を防ぐ
漏れてくる水は、バケツやタオルで受けて床が濡れるのを防ぎましょう。
水が溜まったらすぐに捨てるようにしないと、周囲にこぼれてしまうことがあります。
タオルは水を吸って重くなるので、定期的に交換してください。
水を吸ったタオルはカビの原因にもなるため、使ったらすぐに乾かすのがポイントです。
電気製品や家具を移動させる
雨漏りの下にある電化製品は、感電や故障の危険があるため、すぐに移動しましょう。
テレビやパソコンなどが濡れると、データが消えるリスクもあります。
漏れてきた水がコンセントに触れないように注意が必要です。
漏れている範囲が広がることもあるので、被害が広がる前に対応しましょう。
管理会社や専門業者に早急に連絡する
雨漏りを確認したら、すぐに管理会社や専門業者に連絡しましょう。
自分で応急処置をしても、根本的な原因は解決されません。
連絡の際は、漏れている場所やシミの状況、写真などを伝えるとスムーズです。
対応が早ければ早いほど、被害を最小限に食い止めることができます。
マンションの雨漏りが原因不明な場合の修理費用と保険の活用
雨漏りの修理には費用がかかりますが、火災保険や管理組合の制度をうまく活用することで、自己負担を軽減できることがあります。
火災保険の「水漏れ補償」が使えることがある
火災保険の中には、雨漏りによる被害を補償する内容が含まれていることがあります。
「建物にかかる保険」や「家財にかかる保険」に加入している場合、水漏れによるクロスの貼り替えや家財の損害が補償対象になることもあります。
ただし、自然劣化や施工不良が原因の場合は対象外となることもあるため、事前に保険会社に確認しましょう。
証拠となる写真や被害状況のメモを用意しておくと、スムーズに申請できます。
管理組合が費用を負担するケースがある
マンションの構造体や共用部分に原因がある場合、修理費用は管理組合が負担するのが一般的です。
屋上や外壁など、専有部分ではない場所が原因であれば、住人が負担する必要はありません。
この場合、管理会社に連絡し、管理組合の判断を仰ぐことが大切です。
負担の範囲はマンションの管理規約によって異なるため、内容をよく確認しましょう。
個人負担になる場合は修理見積もりを複数取る
専有部分が原因で個人負担になる場合は、複数の業者から見積もりを取り、費用や工法を比較することが重要です。
1社だけに依頼すると、相場より高い金額を請求されるリスクもあります。
信頼できる業者を選ぶためにも、口コミや実績を調べておくと安心です。
安さだけでなく、アフターサービスの有無なども比較して選びましょう。
補償対象になるか保険会社に事前確認する
実際に修理を始める前に、補償の対象になるかどうかを保険会社に必ず確認してください。
事前に了承を得ておかないと、後から「補償対象外」とされてしまう可能性があります。
できれば、業者の調査報告書や写真も一緒に提出して、詳細に説明しましょう。
保険の申請には時間がかかることもあるので、早めに準備を始めることが大切です。
マンションの雨漏りが原因不明なとき管理会社や施工会社への相談の流れ

雨漏りが発生したら、まずは管理会社や施工会社に相談して、状況を正確に伝えることが第一歩です。
まずは管理会社に連絡して状況を伝える
マンションで雨漏りが起きた場合、最初に管理会社に連絡を入れましょう。
口頭だけでなく、メールや写真を使って状況を詳しく伝えると対応がスムーズです。
緊急の場合は、電話で迅速に連絡を取りましょう。
記録を残しておくことも重要なので、連絡の履歴は保存しておきましょう。
管理会社から業者手配や現地調査が行われる
管理会社が状況を確認したら、提携業者を手配して現地調査を実施します。
この時点で調査費用の負担者についても話し合われることがあります。
調査結果によっては、専門業者による追加調査が必要になることもあります。
調査中は、住人の協力も求められるため、可能な限り日程を調整しましょう。
過去の施工記録や図面を確認してもらう
原因が特定しにくい場合は、過去の施工記録やマンションの図面を管理会社に確認してもらいましょう。
特定の場所で過去にも雨漏りが発生していた記録がある場合、同様の原因である可能性があります。
図面を見れば、配管の位置や建物の構造も分かるため、調査の参考になります。
施工不良が原因の場合、施工会社に修理を依頼することも検討されます。
責任の所在を確認し対応方針を決める
調査の結果、どこが原因で誰に責任があるかを明確にし、今後の対応方針を決めます。
共用部分か専有部分かによって、費用の負担者が変わるため、正確な判断が求められます。
場合によっては管理組合の理事会で協議されることもあります。
住人としては、冷静に話し合いに参加し、スムーズな解決を目指しましょう。
マンションの雨漏りが原因不明な場合によくある質問
雨漏りが原因不明なときによくある疑問について、わかりやすく回答します。
調査費用は誰が払うの?
原因によります。共用部分が原因なら管理組合が負担、専有部分なら住人が負担するのが一般的です。
ただし、最初の調査費用については、一時的に住人が立て替えることもあります。
事前に管理会社に確認しておくと安心です。
費用分担に関する規約も確認しておきましょう。
修理しても再発することはある?
原因が完全に特定できていなかった場合や、複数箇所に問題があった場合は再発の可能性があります。
再発を防ぐには、総合的な調査と修理が必要です。
定期的な点検や、劣化した部分の補修も再発防止につながります。
修理後も注意深く様子を見ておきましょう。
調査期間はどのくらいかかる?
調査内容や建物の規模によって異なりますが、数日から1〜2週間程度かかることがあります。
雨の日にしか確認できないこともあるため、天候によって長引くケースもあります。
調査中に何度か立ち会いが必要なこともあります。
スケジュールには余裕を持って臨みましょう。
個人で専門業者に依頼してもいいの?
基本的には管理会社を通すのが原則ですが、緊急時や対応が遅い場合は個人で業者に依頼することも可能です。
ただし、共用部分の修理や調査は勝手に行うとトラブルの原因になります。
事前に管理会社に相談したうえで、了承を得るようにしましょう。
見積もりや調査結果は必ず共有してください。
まとめ|マンションの雨漏りが原因不明なときの調査と対処法

マンションで雨漏りが起きたとき、原因が不明な場合でも、冷静に対処することが被害を最小限に抑えるカギです。
早めの調査と連絡が被害を防ぐ
雨漏りに気づいたら、すぐに管理会社や専門業者に相談することが大切です。
初動が早ければ、被害の拡大や修理費用の増加を防ぐことができます。
自分でできるチェックも忘れずに行いましょう。
専門業者の診断で原因特定が可能になる
原因が特定できない場合でも、専門的な調査によって原因を突き止めることが可能です。
散水調査や赤外線カメラ、ドローンなど、状況に応じた調査を組み合わせて実施することで、再発防止にもつながります。
実績のある業者を選ぶこともポイントです。
火災保険や管理組合の制度を活用する
修理費用の負担は大きいため、火災保険や管理組合の制度を活用することで経済的な負担を軽減しましょう。
保険の対象になるかを確認し、必要書類をそろえておくことが大切です。
管理規約の確認も忘れずに行いましょう。
雨漏りの原因が不明な場合でも、あきらめずに正しい手順で対処すれば、必ず解決に近づきます。
被害を最小限に抑えるためにも、日頃から建物の状態に注意を払い、早めの対応を心がけましょう。
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