マンションの水漏れは経年劣化が原因?トラブル防止のための対策と対応方法

   

コラム

マンションで起こる水漏れトラブルは、建物の寿命や使用状況によって誰にでも起こりうる問題です。

特に築年数が長くなると、配管や防水処理などの経年劣化が進み、思わぬ場所からの水漏れが発生するケースが増加します。

本記事では、マンションにおける水漏れの原因や経年劣化との関係、起きた際の対応方法や予防策について、わかりやすく解説します。

 

マンションの水漏れはなぜ起こる?経年劣化との関係を解説

マンションの水漏れは、老朽化した建物で特に発生しやすく、構造や設備の耐用年数に深く関係しています。ここでは、主な4つの原因を解説します。

 

配管の老朽化が原因になることが多いから

建築物の給排水管の耐用年数は、おおむね20〜30年とされています。

鉄製や銅製の配管は、経年によりサビや腐食が進み、内部に穴が開き、漏水の原因になります。

特に築30年以上のマンションでは、配管の更新が行われていない場合、漏水のリスクが非常に高いとされています。

古い配管が原因で突発的な漏水事故が起こるケースも多く、早期点検や更新が求められます。

 

防水処理の劣化が影響するから

屋上やバルコニー、浴室の防水処理も、年数が経つごとに劣化します。防水シートやシーリング材の耐用年数は約10〜15年が目安です。

防水層のひび割れや剥がれによって雨水が浸入し、天井や壁にシミができたり、室内への漏水につながることがあります。

こうした劣化は目視で確認できることも多いため、定期的な点検と補修が重要です。

防水層の破損は放置すると、構造材にまで被害が及ぶ恐れがあります。

 

接合部のパッキンが長年の使用で傷むから

水道管の接合部には、ゴム製のパッキンやシール材が使用されていますが、これらも長期間の使用により劣化します。

縮みやヒビ割れによって隙間ができ、そこから水が漏れ始めるケースが多く見られます。

特に洗面台の下、キッチンシンクの下など目の届きにくい場所で起きる水漏れは、発見が遅れがちになります。

小さな水漏れでも長期間続くと、床材が腐食するなどの被害につながります。

 

上階や共用部からの影響を受ける場合があるから

自室で水漏れが発生しても、原因が上の階や共用部分にあることもあります。

たとえば、上階の住戸での配管破損や、バルコニー排水の詰まりなどが原因で、下階に水が流れ込むケースがあります。

共用配管の漏水については、管理組合の責任となるケースが多いため、まず管理会社に連絡するのが適切です。

マンションという構造上、原因の特定には時間がかかることもあり、早期対応が肝心です。

 

マンションで水漏れが起きたらまず確認すべき経年劣化のサイン

水漏れはある日突然起きるのではなく、前兆が見られることが多いです。以下のサインに気づいたら、すぐに専門業者に相談しましょう。

 

天井や壁にシミや変色が見られる

天井や壁紙に茶色いシミが現れるのは、水漏れの典型的な兆候です。

これは、内部の断熱材やボードが水を吸ってしまい、表面に色が出てくるためです。

小さな変色でも、放置するとカビや腐食の原因になります。

発見したら、すぐに専門業者による調査を受けましょう。

 

床材がふわふわする、膨らむ

フローリングの一部が柔らかくなったり、盛り上がってきた場合も、水漏れを疑うべきサインです。

床下に水が入り込むと、木材が膨張したり、接着剤が剥がれたりすることがあります。

このような状態になる前に、定期的に床の状態をチェックすることが大切です。

特に水回りの近くの床は注意深く観察しましょう。

 

配管から異音やにおいがする

「ポコポコ」や「ゴボゴボ」といった音が配管から聞こえる場合は、空気が入り込んでいたり、水の流れが妨げられている可能性があります。

また、下水のようなにおいが室内に上がってくる場合は、封水が切れていたり、漏れがある可能性もあります。

音やにおいは水漏れの初期サインとなるため、見過ごさずに対処することが重要です。

においが気になる場合は、配管トラップや換気のチェックを行いましょう。

 

水道代が急に上がった

使用量が変わらないのに水道料金が上がった場合、漏水が発生している可能性があります。

このような場合は、水道メーターを確認し、すべての蛇口を閉めた状態で針が動いていないかを見てください。

針が動いていれば、目に見えない場所で水が漏れている可能性があります。

市区町村の水道局では、漏水の疑いがある場合に無料点検を行っていることもあります。

 

経年劣化によるマンションの水漏れがもたらすリスクとは?

水漏れは一見すると小さなトラブルに見えるかもしれませんが、実際には建物全体や住人に深刻な影響を与える場合があります。以下では、水漏れによって発生する4つの主なリスクについて解説します。

 

階下への漏水被害で損害賠償トラブルになる

マンションで水漏れが起こると、その水が下の階に流れ込み、天井や家具、家電製品に被害を与えることがあります。

このような場合、加害者側(漏水元)の住人が、損害賠償責任を問われるケースが多く、金銭トラブルに発展する可能性があります。

専有部からの漏水が原因であれば、所有者または居住者がその管理責任を負うことになります。

火災保険に個人賠償責任補償を付帯しておくと、こうした費用を補填できる場合があります。

 

カビや腐食が進行し健康被害につながる

漏水により湿気が室内にこもると、カビが発生しやすくなります。

特に、目に見えない壁の内部や床下などでカビが増殖すると、空気中に胞子が飛散し、呼吸器系への悪影響が出ることがあります。

ぜんそくやアレルギーなどを持つ人は、健康被害を受けやすいため要注意です。

また、木材部分の腐食が進行すると、建物の耐久性にも悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

修繕費用が高額になるケースがある

小さな水漏れでも、時間が経つほど被害は広がり、修繕範囲も大きくなります。

床材や壁紙だけでなく、断熱材や構造材の交換が必要になることもあり、費用が数十万円から数百万円に及ぶこともあります。

築年数の古いマンションでは、部分修繕では済まず、全体的な配管更新が必要となる場合もあります。

こうした事態を防ぐには、早期発見・早期対応が最も効果的です。

 

保険が適用されない場合もある

火災保険は、水漏れの修理に使えることがありますが、すべてのケースに対応しているわけではありません。

経年劣化が原因と判断された場合は、「自然損耗」として補償対象外となることが多いです。

一方、突発的な事故や、階下への損害に対しては、保険が適用されることもあります。

契約している保険の内容を事前に確認し、必要に応じて特約の追加も検討しましょう。

 

マンションの水漏れが経年劣化による場合の修理や対応方法

水漏れを発見したときは、速やかに行動することが重要です。ここでは、経年劣化が原因の場合にとるべき具体的な対応ステップを紹介します。

 

管理会社や管理組合にまず連絡する

マンション内で水漏れが起きた際は、まず自分で原因を判断せず、管理会社または管理組合に連絡して報告することが第一歩です。

専有部だけでなく、共用部や他の住戸に影響を与えている可能性もあるため、全体としての調査が必要になります。

共用部分に原因がある場合、管理組合が対応・費用負担するケースもあります。

迅速な連絡が、被害拡大の防止にもつながります。

 

専門の水道修理業者に依頼する

配管の破損や防水処理の不具合など、専門的な作業が必要な場合は、水道修理の専門業者への依頼が必要です。

最近では、24時間対応・即日対応可能な業者も増えており、緊急対応にも強いサービスが提供されています。

事前に相見積もりをとり、費用や対応内容を比較することがトラブル回避に有効です。

信頼できる地元業者や管理会社が紹介する業者を活用すると安心です。

 

火災保険や共用部の保険の適用可否を確認する

漏水による修繕費用が高額になりそうな場合は、加入している火災保険や、マンションの共用部にかけられている保険が使えるか確認しましょう。

保険会社に連絡し、写真や見積書、業者の調査報告書などの提出が求められます。

経年劣化による損害の場合は補償されないこともあるため、保険の内容をよく理解しておくことが重要です。

必要に応じて管理会社と一緒に保険申請を進めるとスムーズです。

 

原因箇所によっては管理組合が修理費用を負担するケースもある

水漏れの原因が共用部分の配管や防水層にある場合、管理組合が修理費用を負担することになります。

逆に、専有部(個人の部屋内)での配管破損や蛇口の劣化などが原因であれば、個人負担となるのが一般的です。

管理規約によって負担範囲が異なるため、契約書や規約書を一度確認することをおすすめします。

明確に責任範囲が定義されていない場合は、管理会社と協議が必要です。

 

「イーライフ水道サービス」など24時間対応の業者を活用する

夜間や休日などに急に水漏れが発生した場合、24時間対応の水道業者を利用するのが効果的です。

たとえば「イーライフ水道サービス」は全国対応かつ365日24時間体制で、緊急トラブルに即対応可能とされています。

こうした業者はスピード対応に強みがありますが、費用面は業者によって差があるため、見積もり確認が必須です。

また、口コミや評価を参考にして、信頼できるサービスを選びましょう。

 

マンションの水漏れと経年劣化を防ぐためにできる日頃の対策

水漏れの予防には、日頃からの点検とメンテナンスが非常に重要です。以下に自分で実践できる対策を紹介します。

 

定期的に配管や水回りの点検を行う

目に見える範囲で構いませんので、キッチンや洗面所、トイレの配管に水漏れや湿気がないかを定期的にチェックしましょう。

手の届く部分の緩みや水たまりを早期に発見できれば、大きなトラブルを防げます。

年に1〜2回程度でも十分効果があります。

点検結果を記録しておくと、管理会社や業者に相談する際にも役立ちます。

 

浴室やキッチンのコーキングを定期的に補修する

浴室やシンク周りの目地部分(コーキング)は、劣化しやすく、隙間から水が染み込むことがあります。

ヒビや剥がれが見られたら、専用のシーラント材で補修することが大切です。

自分で対応できる範囲も多いため、定期的なセルフメンテナンスがおすすめです。

市販のコーキング材でも十分効果があります。

 

シーリングや防水シートの劣化チェックを行う

屋外のバルコニーやベランダの排水口周辺、壁と床の接合部に使われているシーリング材も経年劣化します。

定期的に目視で確認し、ヒビや割れがあれば補修を依頼しましょう。

防水シートが破損している場合は、専門業者による張り替えが必要になります。

バルコニーの掃除も、水の流れを良くするために効果的です。

 

水漏れセンサーの設置で早期発見を目指す

最近では、漏水を感知するとスマホに通知してくれる水漏れセンサーが普及しています。

安価で導入できるものもあり、洗面台下や洗濯機の裏など、水漏れの起こりやすい場所に設置しておくと安心です。

早期発見が被害を最小限に抑える鍵となるため、導入を検討してみましょう。

スマートホーム機器との連携ができる製品もあります。

 

マンションの水漏れと経年劣化についてのよくある質問

最後に、水漏れと経年劣化に関するよくある疑問にお答えします。

 

経年劣化による水漏れは誰が修理費を負担するの?

一般的には、専有部分(個人の居室内)の配管や設備が原因であれば、所有者が費用を負担します。

共用部分(縦管、屋上防水など)の不具合が原因であれば、管理組合が負担するケースが多いです。

判断が難しい場合は、管理規約の確認と管理会社への相談が必要です。

分譲マンションでは規約が細かく定められています。

 

火災保険は経年劣化の水漏れに使える?

多くの場合、火災保険では経年劣化による水漏れは補償対象外です。

ただし、水漏れにより階下に被害が出た場合の賠償責任や、突発的な事故が原因であれば、補償されるケースもあります。

保険証券と約款を確認し、不明な点は保険会社に直接問い合わせましょう。

必要に応じて特約を追加するのも有効です。

 

共用部からの水漏れは個人で対応すべき?

いいえ、共用部分のトラブルは基本的に管理組合が対応すべき内容です。

速やかに管理会社へ報告し、調査・対応を依頼しましょう。

勝手に修理すると、費用負担のトラブルになる可能性があります。

自己判断せず、専門家に任せることが大切です。

 

水漏れの修理期間はどのくらいかかる?

修理内容によって異なりますが、小規模なパッキン交換などであれば数時間〜1日で完了します。

配管交換や防水層の修繕など大規模な場合は、数日〜1週間以上かかることもあります。

工事内容・範囲・場所によっては、仮住まいが必要になる場合もあります。

事前に業者からスケジュールを確認しておきましょう。

 

まとめ|マンションの水漏れと経年劣化の関係と対応・対策のポイント

マンションにおける水漏れは、経年劣化が主な原因となることが多く、定期的な点検と適切な対応が必要不可欠です。

特に築20年以上の建物では、配管や防水設備の状態に注意し、異常があれば早急に管理会社や専門業者へ相談しましょう。

また、火災保険の内容を見直し、日常の点検や予防対策を行うことで、大きな被害を未然に防ぐことができます。

この記事で紹介した内容を参考に、あなたのマンションの水漏れリスクを最小限に抑え、安全で快適な暮らしを守りましょう。

 

外壁調査や雨漏り調査、外壁のメンテナンスはユニースにお任せください

今回この記事では、マンションにおける水漏れの原因や経年劣化との関係、起きた際の対応方法や予防策について解説いたしましたが、この記事を機に雨漏り調査をはじめとしたメンテナンスを検討している方もいらっしゃるかと思います。

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