地震で壁にひび割れが発生!原因と対処法を徹底解説
コラム, 外壁修繕 2024.9.4
日本は地震大国であり、地震による建物への被害は避けられません。その中でも、壁のひび割れは多くの人が経験する問題です。しかし、そのひび割れがどのような原因で発生するのか、どの程度の危険があるのか、どのように対処すべきかについては、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、地震による壁のひび割れに関する原因、種類、危険度の見分け方、適切な対処法、そして保険適用について詳しく解説します。事前に知識を身につけておくことで、いざという時に冷静に対応できるようになります。
地震で壁にひび割れが起こる原因とは?
地震によって壁にひび割れが生じる原因はさまざまですが、主に以下の三つに分類されます。それぞれの原因を理解しておくことで、建物のメンテナンスや補修に役立てることができます。
地震の揺れによる建物の変形
地震の揺れによって建物全体が大きく動くことがあります。この動きにより、建物の構造が変形し、壁にひび割れが生じることがあります。特に、柱や梁にかかる負荷が増大すると、その負荷に耐えきれなくなった部分が割れてしまいます。こうしたひび割れは、建物の強度に影響を与えるため、放置するとさらに大きな被害につながる可能性があります。
地盤の変動による不同沈下
地震によって地盤が揺れ動くことで、建物が均等に支えられなくなり、一部が沈下することがあります。これを不同沈下といい、この現象が原因で壁にひび割れが発生することがあります。特に、地盤の状態が悪い場所では、このような問題が起こりやすいです。不動沈下が原因のひび割れは、建物全体に影響を与えるため、早急な対策が必要です。
建物の経年劣化と施工不良
地震が原因でひび割れが生じたとしても、その根本には建物の経年劣化や施工不良がある場合があります。例えば、古い建物ではコンクリートやモルタルが劣化しており、地震の揺れに耐えられなくなることがあります。また、建設時の施工不良が原因で、ひび割れが生じやすくなることもあります。これらの要因が重なると、地震の影響がより大きくなり、深刻なひび割れが発生することがあります。
地震による壁のひび割れの種類と特徴
壁に生じるひび割れにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。ひび割れの種類を知っておくことで、被害の程度を判断しやすくなり、適切な対策を講じることが可能です。
構造クラック(構造体に影響する重大なひび割れ)
構造クラックとは、建物の主要な構造部分にまで影響を与える重大なひび割れです。このタイプのひび割れは、建物の強度を低下させるため、早急な対応が必要です。例えば、壁全体にわたって深く広がるクラックは、建物の安全性を脅かす可能性があります。構造クラックが確認された場合、専門家による診断と補修が不可欠です。
ヘアークラック(軽微な表面のひび割れ)
ヘアークラックは、壁の表面に現れる細いひび割れです。通常、建物の構造に大きな影響を与えることはなく、美観上の問題にとどまることが多いです。ただし、放置しておくと雨水が浸透し、内部にダメージを与える可能性があります。ヘアークラックは軽度のものであれば、自分で補修することも可能ですが、頻繁に発生する場合は原因を調べる必要があります。
X字クラック(揺れによる典型的なひび割れ)
地震によって発生しやすいのがX字クラックです。このひび割れは、揺れの力が集中することで、壁にX字のような形状のひび割れが生じることからその名が付けられています。X字クラックは、力が集まる部位に多く見られるため、発生した場合は建物全体に注意が必要です。このタイプのひび割れは、壁の強度を低下させる恐れがあるため、適切な補修が求められます。
地震で発生した壁のひび割れの危険度を見分ける方法
壁にひび割れが発生した場合、その危険度を適切に判断することが重要です。以下に示すポイントを確認することで、ひび割れの危険度を見極めることができます。
ひび割れの幅と深さを確認する
まず、ひび割れの幅と深さを確認します。一般的に、幅が0.3mm以上、深さが5mm以上のひび割れは構造に影響を与える可能性が高く、注意が必要です。こうしたひび割れが複数箇所に見られる場合、建物全体の耐震性に問題がある可能性があります。逆に、浅く狭いひび割れであれば、すぐに深刻な問題になることは少ないです。
構造部分の損傷の有無をチェックする
次に、ひび割れが構造部分に及んでいるかを確認します。特に、柱や梁、基礎部分にひび割れが見られる場合、建物の強度が低下している可能性があります。これらの部分に損傷があると、地震による次の揺れに耐えられなくなるリスクが高まります。したがって、構造部分のひび割れは専門家の診断を受けることが重要です。
専門家に診断を依頼する
ひび割れが深刻かどうかを最終的に判断するためには、専門家に診断を依頼することが最善の方法です。建築士や耐震診断士などのプロフェッショナルが、ひび割れの種類や危険度を詳細に調べ、適切な対応策を提案してくれます。特に、構造クラックやX字クラックなどの重大なひび割れが見られる場合は、早急に専門家に連絡することが推奨されます。
地震による壁のひび割れへの対処法と修理の手順
壁にひび割れが生じた場合、適切な対処を行うことが重要です。以下に、地震によるひび割れに対する具体的な修理方法とその手順を紹介します。
応急処置としてのコーキング材の使用
まず、軽度なひび割れに対しては、シーリング材を使用した応急処置が有効です。コーキング材は、ひび割れ部分に充填することで、雨水の侵入を防ぎ、内部の劣化を抑えることができます。この方法は、短期間で簡単に行えるため、まず初めに試してみると良いでしょう。ただし、あくまで応急処置であり、根本的な解決にはなりません。
樹脂モルタルを使った本格的な補修
応急処置では不十分な場合、樹脂モルタルを使用した本格的な補修が必要です。樹脂モルタルは、ひび割れの内部に注入することで、構造を強化し、耐久性を高めることができます。補修作業は専門の業者に依頼するのが一般的ですが、DIYで行うことも可能です。ただし、作業には高度な技術が求められるため、自信がない場合はプロに任せることをお勧めします。
建物の補強工事が必要な場合の対応
深刻なひび割れが確認された場合、建物全体の補強工事が必要になることもあります。この場合、耐震補強や基礎の補強など、大規模な工事が求められます。補強工事は費用がかかりますが、建物の安全性を確保するためには避けられません。補強工事の計画を立てる際には、信頼できる業者に依頼し、複数の見積もりを比較検討することが大切です。
地震で壁にひび割れが生じた場合の保険適用について
地震で壁にひび割れが生じた場合、保険が適用されることがあります。しかし、保険の適用範囲や手続きについては、事前に理解しておく必要があります。
地震保険が適用される損害の基準
地震保険が適用されるかどうかは、損害の程度によります。一般的に、建物の損壊が「全損」「半損」「一部損」に分類され、一部損以上の被害、地震発生から10日以内、経年劣化ではない場合には保険金が支払われます。ひび割れのみの場合でも、損害の範囲が大きければ適用されることがありますが、軽微なひび割れでは保険金が支払われないこともあります。
保険申請時に注意すべきポイント
保険を申請する際には、ひび割れの状況を正確に伝えることが重要です。写真を撮影し、ひび割れの位置、幅、深さなどを詳細に記録しておくと良いでしょう。また、申請書類には漏れがないように注意し、必要な情報をすべて記入することが求められます。保険会社によっては、独自の調査を行うことがあるため、調査時には協力するようにしましょう。
地震に備えるための壁の補強方法と予防策
地震によるひび割れを防ぐためには、事前の対策が重要です。以下に、地震に備えるための具体的な補強方法と予防策を紹介します。
耐震補強工事の実施
耐震補強工事は、建物全体の耐震性を高めるために行われるものです。特に、古い建物や耐震基準を満たしていない建物においては、耐震補強工事が効果的です。耐震補強には、基礎の補強や壁の補強などがあり、これによって地震の揺れに強い建物を実現することができます。工事には一定の費用がかかりますが、安全を考えると重要な投資と言えるでしょう。
モルタルやサイディングの定期メンテナンス
壁のひび割れを予防するためには、モルタルやサイディングの定期メンテナンスが欠かせません。これらの部分が劣化していると、地震の際にひび割れが発生しやすくなります。定期的に壁の状態をチェックし、ひび割れが見つかった場合は早めに補修することで、大きな被害を防ぐことができます。また、外壁塗装も劣化を防ぐ有効な方法です。
地盤改良工事による不同沈下の予防
不同沈下を防ぐためには、地盤改良工事が有効です。地盤が弱い場所では、地震による不同沈下が原因で建物にひび割れが発生することが多いため、地盤を強化することでリスクを軽減できます。地盤改良には、柱状改良や表層改良などさまざまな方法がありますが、建物の規模や地盤の状態に応じて最適な方法を選択することが重要です。
まとめ:地震で壁にひび割れが発生した際の適切な対応
地震で壁にひび割れが発生した場合、まずは原因を特定し、危険度を判断することが重要です。軽度なひび割れであれば応急処置で済むこともありますが、構造に影響を与える重大なひび割れの場合は、専門家に相談し、適切な対策を講じることが求められます。また、事前に耐震補強や地盤改良を行うことで、地震による被害を最小限に抑えることが可能です。最悪の事態に備えて、地震保険の内容を確認し、必要な手続きを早めに行うことも忘れずに行いましょう。
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