マンション漏水の調査費用は誰が負担する?加害者・被害者・管理組合の責任と対処法
雨漏り 2026.2.13
マンションで生活していると、避けて通れないのが「漏水トラブル」です。突然天井から水が落ちてきたり、床が濡れていたりすると、住民としては大きな不安を感じます。さらに、問題なのは「誰がその調査費用や修理費を負担するのか」が分かりにくい点です。
この記事では、マンションで起こる漏水の原因や調査費用の負担について、加害者・被害者・管理組合の立場ごとに詳しく解説します。トラブルを未然に防ぐためのポイントや、保険の活用方法も紹介します。
これからマンションを購入・居住しようと考えている方はもちろん、現在居住中の方にとっても役立つ内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
マンションで起こる漏水とは何か、調査費用の負担と加害者・被害者・管理組合の関係

まずは、マンションで起こる漏水の仕組みや、関係者それぞれの立場について整理しましょう。
漏水は給排水設備の老朽化や施工不良で起きやすい
マンションでは、上下階に住民が暮らしており、配管や排水設備が複雑に組み合わさっています。そのため、水漏れのリスクは一戸建てよりも高くなりやすいです。
漏水の原因としては、配管の老朽化、施工時の不具合、地震や劣化による破損などがあげられます。特に築年数が20年を超える物件では、配管の劣化によるトラブルが頻発しています。
また、浴室やキッチンの防水層が破れている場合も、階下に水が漏れる原因となります。
これらの漏水が発生した際には、その原因の特定と対策が必要となり、調査費用や修理費が発生します。
加害者は水を出した側、被害者は水を受けた側と定義される
漏水トラブルでは、「加害者」と「被害者」がはっきりと定義されます。一般的に、水を漏らした側(原因となった部屋の住民)が加害者、水を受けた側(被害を受けた部屋の住民)が被害者となります。
しかし、原因が共用部分だった場合や、明確に特定できない場合もあります。そのようなときは、調査により原因を見つけ出す必要があります。
その際、「誰が費用を負担するか」が大きな論点になります。
明確に過失がある場合は加害者に費用負担義務が生じますが、過失がない場合や原因不明の場合には複雑な判断が必要です。
管理組合は共用部分の管理責任を持つ
マンションの管理組合は、共用部分の維持管理を行う組織です。共用部分とは、廊下やエレベーター、天井裏や配管など住民が共同で使用するスペースを指します。
この共用部分が原因で漏水が起きた場合、管理組合が責任を持って対応しなければなりません。
したがって、共用部分からの漏水調査や修繕費用は、基本的に管理組合が修繕積立金などで対応することになります。
管理組合の役割は、住民全体の利益を守ることにあるため、漏水発生時には迅速に対応することが求められます。
マンションの漏水調査費用は誰が負担するのか、加害者・被害者・管理組合の基本的な考え方
漏水調査費用の負担者は、原因の場所や内容により変わってきます。ここではその基本的なルールを説明します。
漏水原因の場所により負担者が変わる
漏水の原因が「専有部分」か「共用部分」かによって、費用負担の対象が異なります。
たとえば、上の階の専有部分の配管が壊れて漏水した場合は、その住戸の所有者が加害者となり、費用を負担します。
逆に、共用配管が原因であれば、管理組合の責任となり、住民全体で負担することになります。
このように、漏水の原因箇所がどこかを特定することが、費用負担の第一歩となります。
専有部分が原因なら加害者が負担するのが基本
マンションの専有部分とは、基本的に住戸の内側を指します。浴室、トイレ、キッチンなどの配管が該当します。
これらの設備から漏水が起こった場合は、その住民が責任を持ち、調査費用や修理費用を負担するのが原則です。
ただし、築年数や構造によっては、専有部分のように見えても共用部分となるケースもあるため、管理規約の確認が重要です。
また、過失の有無によっては、保険でカバーされる可能性もあります。
共用部分が原因なら管理組合が費用を負担する
共用部分の一例として、天井裏の給排水管、床下の配管、外壁からの雨漏りなどがあります。
これらの部分が原因で漏水が起きた場合、調査費用や修繕費用は管理組合の責任となります。
通常は修繕積立金を使って対応し、住民が個別に費用を支払う必要はありません。
ただし、緊急を要する場合などは、一時的に住民が立て替えるケースもあります。
原因不明の場合は一時的に管理組合が調査費用を立て替えることがある
漏水の原因が不明で、専有部分か共用部分か判断できない場合には、まずは管理組合が調査費用を立て替えることが多いです。
その後、原因が特定され次第、加害者が費用を負担する形に移行します。
このプロセスをスムーズに進めるためにも、住民間の協力と理解が不可欠です。
管理組合は公平な立場で調査を行い、必要があれば専門業者を手配して原因の究明を進めます。
マンション漏水で加害者になる場合の調査費用の負担と被害者・管理組合との責任
専有部分が原因で漏水が発生した場合、加害者側の責任が明確になります。このセクションでは加害者側が負う費用や責任の範囲について解説します。
専有部分の配管や設備が原因なら加害者が全額負担する
漏水の原因が加害者の専有部分にある場合、加害者が調査費用・修理費用・場合によっては被害者の損害賠償費用まですべてを負担するのが基本です。
たとえば、キッチンの排水管から水が漏れて下の階に被害を与えた場合、その排水管が専有部分であれば加害者が責任を負います。
このような場合、原因が明確であるため、管理組合や被害者と協議しながら費用負担を進めていくことになります。
マンションの管理規約にも「専有部分の不具合による損害は所有者が負担する」と明記されているケースがほとんどです。
調査協力を拒否すると損害賠償の責任が重くなる可能性がある
漏水が発生したにもかかわらず、加害者側が調査への立ち入りを拒否したり非協力的な態度をとった場合、後々の責任が重くなる恐れがあります。
特に故意や重大な過失があると判断されると、通常以上の損害賠償責任を負う可能性もあります。
加えて、トラブルが長期化すれば管理組合や他の住民にも迷惑がかかるため、調査には早めに協力することが求められます。
調査をスムーズに進めるためにも、住戸内の確認や業者の立ち入りに積極的に協力する姿勢が重要です。
火災保険の個人賠償責任特約が使えることがある
加害者が費用を全額負担しなければならない場合、自身が加入している火災保険の「個人賠償責任特約」が利用できることがあります。
この特約に加入していれば、被害者に支払う損害賠償費用を保険会社がカバーしてくれる可能性があります。
ただし、すべての火災保険にこの特約がついているわけではなく、また補償の範囲にも制限があります。
いざという時のために、保険証券を確認し、漏水事故に対応できる補償内容になっているかを把握しておきましょう。
マンション漏水で被害者になった場合の調査費用の負担と加害者・管理組合の対応
被害者は原則として費用負担はありませんが、状況によっては一時的に負担するケースもあります。ここでは被害者の立場からの対応と負担について解説します。
被害者が調査費用を立て替える場合もあるが原則は加害者や管理組合が負担する
漏水の被害を受けた場合、本来は加害者や管理組合が調査費用を負担するのが基本です。
しかし、緊急を要する状況や、原因が不明な場合には、被害者が先に費用を立て替えるケースもあります。
その後、原因が判明すれば、立て替えた費用を加害者や管理組合に請求することが可能です。
このような事態に備えて、見積書や請求書などの証拠は必ず保管しておくことが重要です。
被害箇所の修復費用は加害者に請求できる
天井のクロス、床材、家具などが漏水によって被害を受けた場合、その修理費用や交換費用は加害者に請求することができます。
被害の程度によっては、数十万円単位の修理費が発生することもあるため、写真や見積もりをしっかりと残しておきましょう。
また、加害者側が保険で対応する場合は、保険会社が直接支払うケースもあります。
請求の流れについては、管理会社や保険会社とも相談しながら進めるとスムーズです。
加害者不明や対応がない場合は管理組合や保険で対応することがある
まれに、漏水の原因が不明のままであったり、加害者が特定できないケースがあります。
そのような場合、被害者の火災保険や、管理組合が加入している共用部分の保険で対応することがあります。
この場合、保険の内容によっては全額が補償されない場合もあるため、あらかじめ補償範囲を確認しておくことが大切です。
また、管理組合の対応が不十分な場合は、理事会への申し出や管理会社への相談も検討しましょう。
マンションの共用部分が原因の漏水における調査費用の負担と加害者・被害者・管理組合の責任

共用部分が漏水の原因となるケースでは、管理組合が中心となって対応することになります。このセクションではその詳細を解説します。
共用配管や天井裏の設備からの漏水なら管理組合が負担する
天井裏や壁内などに設置された共用配管が破損して漏水した場合、その調査費用・修理費用はすべて管理組合の負担になります。
管理組合は、マンションの共用部分を維持管理する責任があるため、早急な対応が求められます。
このようなケースでは、まず専門の業者を呼んで漏水箇所の特定を行い、必要に応じて工事が行われます。
住民への説明や、必要に応じた費用分担(積立金の使用)も管理組合の役割です。
管理組合は共用部分の維持管理義務がある
区分所有法や標準管理規約において、管理組合は共用部分の維持管理責任を負うとされています。
そのため、共用部分に不具合が発生した場合、放置することはできません。
定期点検や修繕工事の実施、住民への情報提供も重要な業務です。
また、漏水が発生した場合には、管理会社と連携して迅速に対処する必要があります。
修繕積立金から調査費用や修理費が支払われることが多い
共用部分の調査費用や修理費用は、多くの場合、管理組合の「修繕積立金」から支払われます。
そのため、積立金の残高や使途が重要になります。
住民としては、年に1回の総会などで、積立金の使用状況や管理状況を確認しておくと安心です。
また、共用部分の老朽化が進んでいる場合は、大規模修繕の計画も必要になるため、長期修繕計画を見直すことも検討しましょう。
マンション漏水調査費用に保険が使えるケースと加害者・被害者・管理組合の負担の違い
漏水トラブルに備えて保険を活用することは、費用負担を軽減する有効な方法です。ここでは各立場で利用できる保険の種類について解説します。
個人の火災保険に付帯する個人賠償責任特約でカバーできる
個人が加入する火災保険には、「個人賠償責任特約」が付いていることがあります。
この特約を使えば、自分の専有部分が原因の漏水で他人に損害を与えた際、賠償金を保険会社が負担してくれます。
特に、下の階に大きな被害が出た場合でも、高額な費用を自己負担せずに済む可能性があります。
ただし、すべての火災保険に自動的に付いているわけではないため、契約内容の確認が必要です。
管理組合の建物保険で共用部分の漏水にも対応できる
管理組合が加入している「建物総合保険」には、共用部分の配管からの漏水などにも対応できる補償が含まれていることが一般的です。
この保険を利用することで、修繕積立金の使用を最小限に抑えることができます。
また、被害者が共用部分からの漏水で損害を受けた場合でも、この保険で損害賠償が可能です。
管理組合は定期的に保険の見直しを行い、補償内容の充実を図ることが重要です。
保険を使うと自己負担を減らせる可能性がある
保険をうまく活用することで、加害者・被害者ともに自己負担を大幅に軽減することが可能です。
火災保険や共用部分の保険は、漏水トラブルが起こったときの大きな支えとなります。
ただし、保険を使うと翌年以降の保険料が上がる可能性があるため、費用対効果をよく考える必要があります。
保険の利用については、保険会社や管理会社と相談しながら判断しましょう。
マンション漏水の調査費用トラブルを防ぐために知っておきたい加害者・被害者・管理組合のポイント
漏水トラブルは、予防と事前の準備でリスクを減らすことが可能です。ここではトラブルを防ぐためのポイントを解説します。
分譲時の管理規約を事前に確認しておくことが重要
マンションごとに管理規約の内容は異なります。管理規約には専有部分・共用部分の定義、費用負担のルールなどが細かく記載されています。
特に、専有部分の範囲は物件により異なるため、事前に必ず確認しましょう。
購入時だけでなく、賃貸や譲渡の際にも確認が必要です。
トラブル時に迅速に対応できるよう、コピーを手元に置いておくことをおすすめします。
漏水時にはすぐに管理会社へ連絡することが大切
漏水が発生した際は、まず管理会社や管理組合へすぐに連絡することが重要です。
対応が遅れると、被害が広がり、修理費用が高額になることもあります。
管理会社は、過去の対応例や提携している業者を通じて、迅速に原因調査や修繕手配を行ってくれます。
そのため、連絡先を冷蔵庫や玄関近くに貼っておくなど、緊急時にすぐ連絡できるようにしておくと安心です。
保険の加入状況を日頃から確認しておくべき
いざというときに備えて、自分が加入している火災保険の内容を確認しておくことも大切です。
特に「個人賠償責任特約」がついているかどうか、共用部分の被害にも対応できるかをチェックしましょう。
また、契約から年数が経っている場合は、保険内容の見直しを行うことをおすすめします。
万が一に備えて、補償内容と対応手順を家族とも共有しておくと、スムーズな対応が可能になります。
まとめ:マンション漏水調査費用の負担は誰か、加害者・被害者・管理組合の責任を整理
ここまで、マンションで発生する漏水に関する調査費用や修理費用の負担について、加害者・被害者・管理組合それぞれの立場から解説してきました。
原因箇所が専有部分であれば加害者が、共用部分であれば管理組合が費用を負担するのが原則です。
ただし、原因が特定できない場合や、加害者が対応しない場合には、被害者が一時的に立て替えるケースもあるため注意が必要です。
また、個人の火災保険や管理組合の建物保険など、保険をうまく活用することで、トラブル時の自己負担を軽減できます。
専有部分の漏水は加害者が、共用部分の漏水は管理組合が負担するのが原則
まず基本として、漏水の原因が専有部分なら加害者負担、共用部分なら管理組合負担というルールを覚えておきましょう。
これを理解しておくことで、漏水発生時の対応もスムーズに進めることができます。
どちらに該当するか不明な場合は、管理会社や専門業者の調査を依頼して明確化することが必要です。
その調査費用についても、原因によって負担者が異なる点に注意してください。
被害者は原則的に費用負担をしないが、場合により立て替えることもある
被害者は基本的には費用を負担する必要はありませんが、緊急性がある場合や原因がすぐに特定できない場合には、一時的に費用を立て替えるケースもあります。
その際には、支払った金額の証拠(領収書や見積書など)を残しておき、加害者や管理組合に請求できるよう準備しておきましょう。
また、自己の火災保険を使って対応できることもありますので、加入状況も日頃から確認しておくことが大切です。
火災保険や管理規約の内容を理解しておくとトラブルを防げる
マンションでの生活では、日頃から火災保険の補償内容と管理規約の内容を把握しておくことが、漏水トラブル時の最大の備えになります。
漏水は突然起こるため、準備ができていないと大きな損害や住民間のトラブルにつながります。
保険や管理規約の内容を知っておくことで、冷静に対処でき、金銭的な負担も最小限に抑えることが可能です。
マンションは多くの人が共同で暮らす場所です。お互いに協力し合い、トラブルを最小限に抑える意識を持つことが大切です。
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