賃貸の雨漏り修理期間はどれくらい?対応が遅いときの対処法まで解説
コラム 2025.10.21
賃貸住宅で雨漏りが発生すると、日常生活に支障が出るだけでなく、家財の損傷や健康被害など深刻な問題につながるおそれがあります。とくに困るのが「修理にどれくらいの期間がかかるのか分からない」「管理会社の対応が遅い」といったケースです。
この記事では、賃貸住宅における雨漏り修理の目安期間や、期間が長引く原因、修理中の過ごし方、さらには対応が遅れている場合の具体的な対処法まで、わかりやすく解説します。
トラブルに巻き込まれないためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
賃貸の雨漏り修理期間はどれくらいかかるの?基本的な目安を解説

まずは、賃貸住宅で雨漏りが起きたときに、どれくらいの期間で修理が完了するのか見ていきましょう。
応急処置は即日〜数日で対応されることが多い
雨漏りが発生した場合、まずは水が室内に入るのを防ぐ「応急処置」が行われます。これは、ビニールシートで覆ったり、水が入ってくる場所に一時的なカバーをしたりする対応です。
このような応急処置は、通常、発生から即日〜数日以内に行われることが一般的です。管理会社や家主が業者を手配し、対処します。
応急処置だけでも水の被害を防ぐことができますが、根本的な解決ではないため、次に本格的な修理が必要になります。
この段階では、被害が拡大しないようにすることが最優先です。
本格的な修理は1週間〜1ヶ月程度が目安
雨漏りの原因を完全に取り除くためには、屋根や外壁、防水シートの補修など、本格的な工事が必要になることがあります。
このような修理は、通常1週間から長くて1ヶ月程度かかることが多いです。
工事の前には、調査や見積もり、管理会社との調整なども必要なため、すぐに始められるとは限りません。
また、工事中は足場を組んだり、共用部分を使用する場合もあり、ほかの住人との調整も必要になることがあります。
建物の構造や被害の大きさによって変動する
修理期間は一律ではなく、建物の構造や雨漏りの原因、被害の範囲によって大きく変わることがあります。
たとえば、古い木造アパートであれば比較的簡単な工事で済むこともありますが、鉄筋コンクリート造やマンションの高層階などは、作業が難しくなるため時間がかかるケースもあります。
また、表面から見えない場所で雨漏りが発生している場合は、調査にも時間を要します。天井裏や壁の中まで点検が必要になることも珍しくありません。
賃貸の雨漏り修理期間が長引く理由とは?
予定よりも修理が遅れる理由はさまざまあります。ここでは、よくある4つの原因を紹介します。
天候不良で工事が進められないから
外壁や屋根の修理は、晴れの日にしか行えない作業が多くあります。特に梅雨や台風の時期は、悪天候が続き、予定していた工事が延期されることが少なくありません。
工事業者も無理に作業を進めると事故や施工不良のリスクがあるため、安全を最優先に進める必要があります。
そのため、天気の都合で工期が何度も変更されることもあります。
建物の老朽化や構造が複雑だから
築年数が古い建物では、雨漏りの原因箇所が一箇所ではないこともあります。また、構造が複雑で配管や壁の内部に問題がある場合、原因の特定に時間がかかり、それに伴って修理期間も延びる傾向にあります。
調査してみないと被害の全体像がわからないことも多いため、時間がかかるのはやむを得ない場合もあります。
管理会社や業者の対応が遅れているから
修理には、管理会社やオーナーが業者に依頼する必要があります。しかし、連絡が遅れたり、業者の手配に時間がかかったりすると、それだけで修理の開始が遅くなってしまいます。
連絡が行き届いていない、社内の連携がうまく取れていないといったケースも少なくありません。
業者のスケジュールが埋まっているから
特定の時期、特に梅雨や台風のあとには、雨漏り修理の依頼が一気に増加します。そのため、業者のスケジュールが埋まりやすく、早くても数週間先にならないと対応してもらえない場合もあります。
こうした事態を避けるためには、できるだけ早く管理会社や家主に連絡し、迅速に動いてもらうことが重要です。
賃貸の雨漏り修理期間中に住み続けることはできる?

雨漏りの修理中でも部屋に住み続けられるかどうかは、被害の状況や修理方法によって異なります。
雨漏り箇所によっては生活に支障が出ることがある
雨漏りがキッチンやトイレ、リビングなどの使用頻度が高い場所で起こると、生活に大きな支障が出てしまいます。
家具の移動や電気機器の使用制限が発生することもあるため、日常生活が不便になります。
安全面で問題がある場合は一時的な退去が必要になる
漏電の危険がある、天井が落ちそうなどのケースでは、安全のために一時的に退去を求められる場合があります。
その場合、代替の住居を手配してもらえるか、家賃が減額されるかなどをしっかり確認しましょう。
修理の内容によっては騒音や異臭が発生することがある
修理中は、工具の音や塗料のにおいなど、普段とは違う環境になることがあります。小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、特に注意が必要です。
騒音に耐えられない場合には、日中外出するなどの工夫が必要になることもあります。
賃貸の雨漏り修理期間が明確でないときに確認すべきポイント
修理の期間がはっきりしない場合、入居者として不安が募ります。そのような時に確認しておくべきポイントを紹介します。
管理会社に具体的なスケジュールを確認する
まず最初にするべきことは、管理会社や家主に対して「いつまでに修理が完了する予定か」をはっきり確認することです。
応急処置が終わった後、本格的な修理の開始日と完了予定日を教えてもらうことで、生活の計画も立てやすくなります。
連絡がない場合は、こちらから積極的に問い合わせる姿勢も大切です。
業者との連絡状況を教えてもらう
修理業者との連絡が取れているのか、見積もりや現地調査は終わっているのかなど、管理会社側の対応状況を詳しく確認しましょう。
「まだ業者と連絡が取れていない」などの返答があれば、急ぐよう促す必要があります。
進捗状況をこまめに確認することで、対応の遅れを防ぎやすくなります。
修理の内容や規模を詳しく聞く
雨漏り修理といっても、軽微な補修で済む場合もあれば、大掛かりな工事になるケースもあります。
どの部分をどのように直すのか、工事の規模を確認することで修理期間の見通しも立てやすくなります。
「屋根の全面補修が必要」「外壁から水が入っている可能性がある」など、規模によっては1ヶ月以上かかる場合もあります。
国土交通省の「賃貸住宅紛争防止ガイドライン」を参考にする
雨漏りに関するトラブル対応は、国の定めるガイドラインにも記載されています。
「賃貸住宅紛争防止ガイドライン」では、雨漏りなどの不具合に対する貸主の修繕義務が明確に記載されています。
ガイドラインの考え方をもとに、管理会社へ適切な修理を求めることも可能です。
賃貸の雨漏り修理期間中に家主や管理会社がすべき対応とは?

雨漏りが発生した場合、貸主側にはいくつかの対応義務があります。ここでは、管理会社やオーナーが取るべき行動を解説します。
早急に専門業者へ連絡・手配する
雨漏りの発生を確認したら、できるだけ早く専門業者に連絡し、現地調査や応急処置を依頼する必要があります。
遅れることで被害が広がった場合、管理会社や家主の責任が問われる可能性もあります。
迅速な初動が被害拡大を防ぐカギです。
入居者に状況説明と今後の流れを丁寧に伝える
入居者は状況が分からないまま放置されると、不信感や不安を感じます。現状と今後の対応方針を、できるだけ具体的に丁寧に説明することが重要です。
「どの段階で業者が来るのか」「修理完了の見込みはいつか」など、こまめな報告が信頼関係の維持につながります。
被害状況の写真やメモを共有してもらう
入居者に対して、被害箇所の写真や状況を記録してもらうよう依頼するのも有効です。
これにより、業者への説明がスムーズになるだけでなく、修理範囲の確認や保険申請などにも役立ちます。
修理期間中の代替住居や家賃減額を検討する
雨漏りの影響が生活に大きく及ぶ場合は、一時的な宿泊先の提供や家賃の一部減額を行うことが望ましいとされています。
これにより、入居者とのトラブルを防ぐことができますし、誠意ある対応として信頼を保てます。
賃貸の雨漏り修理期間に関するトラブルを防ぐための注意点
修理が長引くことで、トラブルに発展するケースもあります。事前に注意すべきポイントを押さえておきましょう。
トラブル発生時はすぐに連絡・記録を残す
雨漏りが発生した際は、すぐに管理会社へ連絡し、発生日時や状況を記録しておくことが大切です。
写真や動画などの証拠を残しておくことで、後のトラブルにも冷静に対応できます。
口頭だけでなく書面やメールでやり取りを残す
重要な内容は、口頭で伝えるだけでなく、メールや書面で記録を残すようにしましょう。
「言った」「言ってない」のトラブルを防ぎ、交渉や相談の際に証拠としても使えます。
自治体の無料相談窓口を活用する
対応が不十分だったり、話が進まない場合には、市区町村の消費生活センターや住宅相談窓口を利用することも検討しましょう。
第三者に相談することで、公正なアドバイスが得られることがあります。
火災保険の対象になるか確認する
雨漏りによって家具や家電が壊れた場合、火災保険や家財保険の対象になる可能性があります。
保険の契約内容を確認し、補償を受けられる場合は速やかに申請しましょう。
賃貸の雨漏り修理期間の対応が遅いときの対処法

修理がいつまでも始まらない、進まないという場合には、以下のような具体的な対策を取ることができます。
管理会社や家主に再度連絡して催促する
まずは、管理会社や家主に再度連絡し、「いつ対応してくれるのか」「なぜ遅れているのか」をしっかり確認しましょう。
対応を急いでもらうように丁寧に催促することも、正当な権利の一部です。
内容証明郵便で修理を正式に求める
何度連絡しても動いてくれない場合は、内容証明郵便を使って正式に修理を求める方法があります。
これは法的な証拠としても有効で、後の裁判や交渉でも強い効力を持ちます。
消費生活センターや弁護士に相談する
話し合いで解決しない場合、消費生活センターや弁護士などの専門家に相談することが大切です。
専門家のアドバイスを受けることで、適切な手続きや対処方法が分かります。
民法第606条に基づき家賃減額を請求することも可能
民法では、貸主が修理義務を果たさず居住環境が損なわれた場合、入居者は家賃の一部減額を請求することができるとされています。
雨漏りによって生活に支障が出ているなら、法的な手段として家賃減額を検討することも現実的な選択肢です。
まとめ:賃貸の雨漏り修理期間と対応が遅いときの対処法について
賃貸住宅で雨漏りが発生した場合は、応急処置と本格修理の2段階に分かれ、修理期間は即日〜1ヶ月程度と幅があります。
応急処置と本格修理の期間を把握しておくことが大切
まずは被害拡大を防ぐために迅速な応急処置を行い、その後本格的な修理に入ります。この流れを事前に理解しておくことで、落ち着いて対応できます。
対応が遅い場合は法的な手段も視野に入れる
修理対応があまりにも遅い場合は、内容証明郵便や家賃減額請求といった法的手段も選択肢として考えましょう。
トラブルを防ぐには日頃の連絡体制が重要
トラブルを避けるためには、日頃から管理会社と良好な連絡関係を築いておくことが何より大切です。
いざという時にスムーズに対応してもらえるよう、普段からのコミュニケーションを大切にしましょう。
外壁調査や雨漏り調査、外壁のメンテナンスはユニースにお任せください
今回この記事では、賃貸住宅における雨漏り修理の目安期間等について解説いたしましたが、この記事を機に雨漏り調査をはじめとしたメンテナンスを検討している方もいらっしゃるかと思います。
外壁調査や雨漏り調査、外壁のメンテナンスはユニースにお任せください。
ユニースでは、外壁調査に関してロープアクセスを用いた外壁調査、雨漏り調査をお勧めしています。外壁調査は本来足場を組んで直接外壁を調査する方法ですが、足場が不要なロープアクセスでこれを行うことで、工期の短縮と費用の削減が可能になります。
ビルやマンションなどの外壁調査、雨漏り調査でお悩みであれば、ぜひ一度ユニースにご相談ください。