雨漏りの原因がわからないときにチェックすべき建物のポイントとは?場所別に詳しく解説!
コラム 2025.7.18
雨漏りは放置すると建物の劣化を早めるだけでなく、カビやシロアリの発生にもつながります。しかし、目に見える箇所に異常がない場合、「どこから雨水が入ってきているのか分からない」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、雨漏りの原因がわからないときに確認すべき建物の屋根・外壁・窓・ベランダ・天井裏といった5つの主要ポイントを、プロ目線で詳しく解説します。
チェックすべき箇所を順番に見ていけば、雨漏りの原因特定がスムーズになり、早期の修理や対策につながります。
雨漏りの原因がわからないときに確認すべき建物の屋根部分

雨漏りの原因で最も多いのが屋根からの浸水です。まずは屋根の状態をしっかり確認しましょう。
瓦やスレートのズレや割れが発生している
瓦屋根やスレート屋根は、長年の風雨や地震の影響でズレたり、割れたりすることがあります。
ズレた瓦の隙間や割れた部分から雨水が浸入し、下地の防水層を通り抜けて天井まで水が達してしまうのです。
屋根の上は自分では確認しづらいですが、下から見上げて違和感がある場合は要注意です。
台風や大雨のあとには特にチェックしておきましょう。
棟板金が浮いたり破損している
スレート屋根や金属屋根のてっぺんに取り付けられている棟板金は、強風で浮いたり、釘が抜けて外れたりすることがあります。
この部分が浮いていると、そこから雨水が浸入してしまい、雨漏りの原因になります。
特に築10年以上の屋根では、棟板金の釘が緩んでいるケースが多く見られます。
棟板金の状態は、遠くからでも浮きが確認できる場合があるため、まずは目視で確認しましょう。
谷板金に穴やサビが見られる
屋根の谷間に設置される谷板金は、雨水を流す重要な役割を果たします。
しかし、鉄製のものは経年劣化でサビが発生し、穴が開くとそこから雨水が入り込みます。
谷板金は雨が集中する箇所なので、劣化すると雨漏りのリスクが高まります。
屋根に谷がある住宅の場合は、必ずこの部分も点検しましょう。
防水シート(ルーフィング)の寿命を迎えている
屋根材の下に敷かれている防水シート(ルーフィング)は、屋根の最終防衛ラインです。
屋根材に多少の割れやズレがあっても、ルーフィングがしっかりしていれば雨水の浸入は防げます。
しかし、築20年以上経っていると、この防水シート自体が劣化し、機能を果たさなくなっている可能性があります。
見えない部分だからこそ、屋根全体のメンテナンス時に合わせて点検するのが理想です。
屋根と外壁の接合部に隙間ができている
屋根と外壁が接する部分は、雨水が入りやすい構造になっているため、特に注意が必要です。
この接合部に使われるシーリングが劣化していたり、施工不良によって隙間があると、そこから水が入ってしまいます。
見た目には問題がなくても、内側で浸水していることもあるので要注意です。
台風や暴風雨の後に雨漏りする場合は、この部分の不具合が原因かもしれません。
雨漏りの原因がわからないときに疑うべき建物の外壁の劣化
屋根だけでなく、外壁の劣化が原因で雨水が入り込むこともあります。特に外壁材や目地のメンテナンスがされていない家は要注意です。
外壁にひび割れ(クラック)が入っている
モルタルやコンクリートの外壁には、経年によるひび割れが発生しやすくなります。
ひび割れの幅が0.3mm以上になると、そこから雨水が浸入するリスクがあります。
特に縦に長く走るクラックや、窓まわりに集中している場合は雨漏りの兆候です。
外壁の塗装が剥がれている部分も同様に水の侵入口になる可能性があります。
シーリング材が劣化し、隙間が目立っている
外壁のパネル同士のつなぎ目やサッシまわりに使われるシーリング材(コーキング)は、紫外線や雨風の影響で劣化します。
シーリングが硬化し、ひび割れたり、剥がれたりすると、そこから水が侵入します。
築10年以上の家では、定期的なシーリングの打ち直しが必要です。
指で押してみて固くなっていたり、隙間が空いている場合は補修を検討しましょう。
サイディングが反って浮いている
サイディング外壁は、熱や湿気の影響で反りが発生し、壁面から浮いてくることがあります。
反った部分と下地の間に隙間ができ、そこに雨水が入り込むと、内部の構造材に影響を与える可能性があります。
反りが見られる部分の裏側には、雨水が回り込んでいることが多いため注意が必要です。
反っている箇所がある場合は、釘の抜けや破損なども合わせて点検しましょう。
外壁塗装の防水機能が失われている
外壁塗装には、美観だけでなく防水という重要な役割があります。
塗膜が劣化すると、水を弾く力が弱まり、壁材が水を吸収するようになります。
塗装の色あせやチョーキング現象(粉が手につく)などが見られたら、防水機能が低下しているサインです。
再塗装を行うことで雨漏り予防につながります。
雨漏りの原因がわからないときにチェックしたい建物の窓まわり

意外と見落としがちなのが、窓まわりの劣化です。開口部は構造上、雨水が侵入しやすいため注意が必要です。
サッシ周辺のシーリングが劣化している
窓サッシのまわりはシーリングで隙間をふさいでいますが、経年で硬化したり剥がれたりします。
その結果、窓枠の内側から水が漏れてくることがあります。
見た目には分かりにくく、室内のクロスが剥がれて初めて気づくこともあります。
窓まわりのシーリングは定期的にチェックし、劣化していたら早めの補修をおすすめします。
窓枠と壁の間に微細な隙間ができている
施工の精度が低かったり、地震などで建物が歪んだ場合、窓枠と壁の間に隙間ができます。
このようなわずかな隙間からも、風を伴う雨なら浸入する可能性があります。
特に木造住宅では、乾燥や伸縮により微細な隙間ができやすい傾向にあります。
室内の窓枠に水滴やカビが発生していたら、外から水が侵入しているかもしれません。
窓上の水切り部材が劣化して機能していない
窓の上部には「水切り」と呼ばれる部材が取り付けられており、雨水が直接窓にかからないように導いています。
この水切りが歪んでいたり、錆びて機能していないと、雨水が壁を伝って窓まわりに溜まりやすくなります。
その結果、サッシ周辺のシーリングが傷んでいた場合などに、水が室内へ浸入してしまうことがあります。
水切りは見落とされがちなパーツですが、雨漏り対策には欠かせない要素です。
排水経路が詰まり、雨水がたまっている
窓まわりには雨水を外に排出するための排水経路(排水溝やドレン)が設けられていることがあります。
落ち葉やホコリが詰まってしまうと、水が排出されずに溜まり、隙間から浸水する危険性があります。
特に、2階以上の窓や出窓部分では、排水経路の詰まりによる雨漏りが意外と多く見られます。
定期的に掃除して排水がスムーズにできているか確認しましょう。
雨漏りの原因がわからないときに注意したい建物のベランダやバルコニー
ベランダやバルコニーは、屋根がないため雨の影響を直接受けやすい場所です。ここに問題があると、下の部屋に雨漏りするリスクが高まります。
防水層に亀裂やふくらみがある
ベランダの床面にはウレタンやFRPといった防水層が施工されていますが、これが経年劣化すると亀裂や膨れが生じます。
防水層が破れると、雨水がコンクリート内部に染み込み、下階の天井から漏れてくることがあります。
表面に細かいひび割れがあるだけでも、そこから浸水する危険があるため、早めの補修が大切です。
とくに築10年以上経過している場合は、防水工事の再施工を検討しましょう。
排水口(ドレン)にゴミが詰まっている
ベランダには必ず排水口(ドレン)があり、ここから雨水が排出されます。
しかし、落ち葉や砂ぼこりが溜まって詰まってしまうと、雨水が流れず、ベランダに水が溜まってしまいます。
水位が上がると、防水層の立ち上がりやサッシの隙間から室内へ水が入ってくることがあります。
月に1回程度の定期的な掃除をすることで、詰まりを防ぐことができます。
笠木や手すり部分の接合部にすき間がある
ベランダの手すりの上に取り付けられている「笠木(かさぎ)」の接合部にも注意が必要です。
笠木は、外壁と手すりの境目をカバーする役割を担っていますが、施工不良や経年で隙間ができると、そこから水が入り込みます。
水が壁の内部に入ると、内部構造にダメージを与える恐れがあります。
目視で釘の浮きやシーリングの劣化が確認できる場合は、早めの補修を検討しましょう。
サッシ周辺との取り合い部分に劣化が見られる
ベランダやバルコニーに面した掃き出し窓などのサッシまわりは、防水の取り合い部分です。
この部分の防水処理が弱かったり、劣化していると、雨水が床の隙間から室内へ浸水します。
特に防水層の立ち上がりとサッシの接触部は、施工ミスや経年で不具合が出やすい箇所です。
雨の日に窓付近からジワジワ水がにじんでくる場合、この部分の劣化が疑われます。
雨漏りの原因がわからないときに見落としがちな建物の天井裏や配管まわり

建物の内部、特に天井裏や配管まわりは普段目に見えないため、異変に気づきにくい場所です。しかし雨漏りの発生源となることも少なくありません。
天井裏に結露が発生して水染みのように見える
天井にできたシミが、実は雨漏りではなく「結露」によるものだったというケースもあります。
特に冬場や気密性の高い住宅では、室内外の温度差によって天井裏に結露が生じやすくなります。
その結露水がポタポタと垂れてくると、雨漏りと誤認されがちです。
断熱材や換気の状況を確認し、結露の可能性も視野に入れましょう。
屋根裏の配管接合部が緩んで水がにじんでいる
給水管や排水管の継ぎ目が緩んでいたり、施工不良があると、そこから水がにじみ出すことがあります。
雨漏りと同様に天井にシミができるため、見分けが難しい場合があります。
水道使用時にのみ天井が濡れるような場合は、配管からの水漏れを疑いましょう。
配管の劣化が進んでいる場合は早めの修繕が必要です。
古い給排水管がひび割れて水が漏れている
築年数が30年を超える建物では、鉄製や塩ビ製の古い配管が使われていることが多く、経年劣化でヒビが入っている場合があります。
このような場合も天井や壁に水シミができるため、雨漏りと間違われることが少なくありません。
定期的な水道検査やリフォーム時の配管交換を検討することが大切です。
水道代が急に上がったときも注意が必要です。
換気ダクトの貫通部にすき間がある
換気扇やレンジフードのダクトが屋根裏を通って外に出ているケースでは、貫通部の防水処理が甘いと雨水が入ってくることがあります。
ダクト周辺から風とともに雨水が吹き込むと、天井からポタポタと雨漏りする症状が出ます。
とくに強風時や横殴りの雨のときに雨漏りする場合は、換気ダクト周辺を疑いましょう。
専門の業者による点検と再シーリングが必要です。
まとめ|雨漏りの原因がわからないときは建物の5つの場所を順番にチェックしよう
雨漏りの原因は一目ではわかりにくく、さまざまな要因が重なって発生します。建物の各部位を順番に確認することで、原因特定につながります。
まず屋根の不具合を疑うのが一般的
雨漏りで最初にチェックすべきは屋根です。瓦のズレや防水シートの劣化など、雨の侵入口になりやすい部分が多くあります。
築10年以上経過している場合は、屋根全体のメンテナンスも視野に入れましょう。
屋根からの雨漏りは、進行が早いため早期対応がカギです。
外壁や窓まわりも雨水が侵入しやすいポイント
ひび割れた外壁や劣化したシーリングなども、雨漏りの原因になります。
とくに窓まわりのシーリングは劣化が早いため、定期的な点検が必要です。
風を伴う雨の日に漏れる場合は、外壁や窓が原因の可能性が高いです。
ベランダやバルコニーの防水性も重要
ベランダは防水層が命です。ひびや膨れがあるとそこから水が侵入します。
排水口の掃除も定期的に行いましょう。
室内の天井にシミがあるときは、ベランダが原因のことも少なくありません。
天井裏や配管部分は見えにくく気づきにくい
結露や配管の劣化も雨漏りのような症状を引き起こすことがあります。
天井に染みがあるけれど、雨の日以外にも濡れている場合は、内部の問題かもしれません。
見えにくい場所ほど、専門業者の調査が効果的です。
専門業者に調査を依頼することで原因特定がしやすくなる
自力でのチェックが難しい場合や、複数の場所を確認しても原因がわからないときは、専門業者の調査をおすすめします。
赤外線カメラや散水試験などを活用し、正確な診断をしてくれます。
原因不明の雨漏りは放置せず、早めのプロ依頼が建物を守る近道です。
外壁調査や雨漏り調査、外壁のメンテナンスはユニースにお任せください
今回この記事では、雨漏りの原因について解説いたしましたが、この記事を機に雨漏り調査をはじめとしたメンテナンスを検討している方もいらっしゃるかと思います。
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ユニースでは、外壁調査に関してロープアクセスを用いた外壁調査、雨漏り調査をお勧めしています。外壁調査は本来足場を組んで直接外壁を調査する方法ですが、足場が不要なロープアクセスでこれを行うことで、工期の短縮と費用の削減が可能になります。
ビルやマンションなどの外壁調査、雨漏り調査でお悩みであれば是非一度ユニースにご相談ください。