貸店舗で雨漏りが発生した場合、修繕費や保険の行方はどうなる?

   

コラム, 雨漏り

管理不備などによる雨漏り事故が生じた場合、雨漏りによってテナントに生じた被害や修繕費の行方はどうなるのでしょうか?また、その際に保険対応することは可能なのでしょうか?

 

雨漏りしやすい箇所とは?

「雨漏り」と聞くと屋根からの水漏れをイメージしますが、それ以外の部分が原因となることも多いのが現実です。ここからは、雨漏りしやすい場所について確認しておきます。

 

外壁

塗装により防水効果を高めているものの、外壁は特段水に強くないです。時間の経過や外気の影響で塗装が劣化して防水機能が低下してしまうと、水を通しやすくなります。

外壁に水が浸入することで、外壁の劣化が進み、ひび割れや破損も生じます。そこから隙間ができれば雨水は簡単に進入するようになってしまいます。

また、外壁の繋ぎ目はシーリング材というゴムのような素材で補強されており、この部分も劣化に弱い箇所です。シーリングは劣化すると固くなり、簡単に割れてしまいます。

シーリングにひび割れや剥がれが生じると、外壁の隙間が保護できないため同じく水分の浸入を防ぐことができなくなるからです。

定期的に外壁もメンテナンスを行い、注意しておく必要があります。

 

サッシ周り

窓や換気扇などは、隙間から雨水が漏れないようサッシにパッキンが施されています。ただ、そのパッキンも10年前後で劣化が始まるため、雨漏りの原因になることがあります。パッキンが劣化することで、隙間が生じてしまい、雨漏りにつながってしまうのです。

さらに、窓の場合はサッシが歪むことで隙間が生じるおそれもあります。サッシが歪むことはあまりないですが、地震が発生した後などでは外壁のひびと同様に注意をしておく必要があります。

また、天窓のある建物は、雨漏りのリスクがかなり高いです。普通の窓でも、パッキンの劣化により雨漏りが起こるリスクがありますが、さらに厳しい環境下にさらされる天窓は、雨漏りを引き起こすリスクが高いといえます。

 

冷媒管周り

冷媒配管とは空調器の室内機と室外機をつなぐパイプです。エアコンは室内機と室外機のあいだを、冷媒(フロン)に熱を運搬させて、室内の熱を室外に放出、または室外の熱を室内に取り込んで温度を調節しています。熱を送ったりするため、フロンを移動させる配管を冷媒配管とよび、銅管を断熱材被覆したもので2本組になっており、細い配管が液官、太い管がガス管です。(参照 https://www.mech.co.jp/piping/air_piping.html : 空調配管(冷媒配管)とは|東尾メック株式会社)

冷媒管に重要なのはとりまわしです。冷媒管が建物に入っているという状態は、外と中がつながっているということです。もしも、貫通している冷媒管と躯体との隙間にしっかり止水処理がなされていなければ、雨水は冷媒管を通して室内に浸入してしまいます。

 

漏水と雨漏りの違いは?

雨漏りとは住宅の外部から水が入ることを言い、漏水は水道管など設備から水が漏れ出てしまうことを指します。雨漏りの場合は発生個所や原因を特定するのが難しく、知らないうちに住宅に甚大な被害を及ぼす恐れも。

一方、漏水の場合は普段使用するトイレや洗面台、キッチンなどが多いため早い段階で気づくことが多いです。

雨漏りも漏水も気づいた段階で早く処置を取る必要があります。ですが、そもそも設備周りからの雨漏りは多くありません。ただ給排気系ではないですが、ベントキャップ等から吹き込んでくることがあります。

ベントキャップとは、給気・排気の開口部に取り付けるカバーのことを指します。ガラリタイプといわれる丸い形のベントキャップではゲリラ豪雨や台風などに際に吹き付けてきた大量の雨水を受け入れ切れません。

雨漏りが発生してしまい、気付かないうちに屋内の死角で水が溜まれば虫が湧いてしまうことも。こうした被害に遭わないためにも新しいタイプのベントキャップへ変更しましょう。

新しいタイプのベントキャップは深型フードタイプといわれ、現在の主流の形です。深型フードタイプは自然給排気口に被せる深型のフードで、ガラリタイプよりも強風時の雨水の浸水が大幅に軽減されます。

ほかにも水切り付き、風防付きなど目的に合わせて様々なタイプも選べるのも特徴です。そのためメンテナンス時など、被害の出る前に交換しておきましょう。

 

修繕費は誰がだすのか?

原則論ですが、民法では「賃借人の収益に必要な建物の修繕の義務」は、賃借人(借りた人)ではなく、賃貸人(貸した人)にあると定められています。ですから、テナントに雨漏りが生じた場合、その修繕費用は賃借人が支払うのが原則です。

ただしこれは任意規定と解釈されているため、賃貸人と賃借人とのあいだに契約上の特別な規定(修繕は賃借人が支払う等)があれば、双方で交わした契約内容が優先されるようです。

なお、契約上で特別な規定を設ける場合、その旨を契約書に明確に記しておく必要があります。修繕に関する責任の所在があいまいな契約については、原則論に応じて賃貸人が修繕費を負うか、または裁判で判断されることになります。
(参照 http://www.companymng-risk.com/ : 訴訟急増! 会社経営のリスクに立ち向かうには/)

 

保険対応は可能なのか?

雨漏りの補修に火災保険が適用になることはありますが、いくつか条件が必要になります。

確認するべきポイントは、加入している火災保険が「風災」や「雪災」、「雹(ひょう)災」「地震」などによる被害が適用されるかどうかです。

雨漏りの工事が保険で直せるのは自然災害が原因で発生した場合で、経年劣化の場合では適用されません。そのためこうした自然災害に適用される火災保険に加入していることが前提になります。

そして実際に、強風などによって雨樋が外れるといったことが雨漏りの原因になっている場合に保険が適用されます過去には、「雹が降って屋根が壊れた」「強風で瓦がずれた」といったケースで雨漏りが起きた場合に火災保険が適用されています。また地震保険に入っている場合では「地震によってできたひびから雨が侵入して雨漏りがした」といったケースでも保険が適用されています。

反対にこのような外的な損傷がなく雨漏りがした場合は、経年劣化と判断されて保険は下りませんので覚えておきましょう。

昨今はゲリラ豪雨、爆弾低気圧などによる被害も多くなっています。これらの際に、強風に煽られて屋根が破損したといったことで雨漏りがしたケースでも火災保険が適用される可能性があります。

保険会社とのやりとりが不安な方はユニースがあいだに入って対応することも可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

外壁自体の修繕

ユニースでは、防水の修繕以外にも外壁自体の修繕も行っています。
飛来物によって外壁が傷ついてしまった場合や、経年劣化によって外壁が傷つき補修や修繕が必要な場合も対応することが可能です。外壁の塗装による修繕はもちろん、外壁タイルの補修や外壁のシーリングを張り替える修繕なども対応できます。

 

雨漏りの調査費用

調査内容 調査人数/費用
目視調査のみ 2名/80,000円~
ロープアクセスを使用した散水調査 100,000円〜

※上記は10階未満のビルを想定しています。それ以上の階は別途お見積りを取らせていただきます。

最短で当日から対応させていただいており、ご契約いただければ、本格的な修繕前に応急処置もさせていただきます。
水回りのトラブルでお困りのことがあればユニースへご相談ください。

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