外壁調査では非破壊調査の打診調査以外にもこんな調査が可能です!ユニースがそれぞれの詳しい調査方法をご紹介
コラム, 外壁タイル調査 2021.12.17
東京赤羽を拠点に外壁調査、外壁補修を行う株式会社ユニースです。
平成20年の建築基準法の改正により、10年ごとの定期的な外壁全面診断が義務付けられました。
外壁調査といえば打診調査がよく知られていますが、実は他にもいくつか方法があるのです。
そこで今回は、ユニースでも行っている数々の外壁調査についていくつかご紹介したいと思います。
どんな仕上げの外壁が調査対象になりますか?
外壁調査の対象となるのは、仕上げが「タイル」「石貼り等」「モルタル等」の外壁です。
つまり仕上げ材自体に重量があって、落下により事故を起こす可能性がある仕上げ材が対象ということですね。
これらの外壁調査では、10年毎という規定に関わらず日常的に目視による劣化損傷状況の確認を行うことが必要です。
さらに手の届く範囲の打診調査を実施し、浮きの有無を判断します。
その上で、
1.手の届く範囲の打診等により異常が認められた場合
2.竣工、外壁改修等の後10年を超えてから最初の調査である場合
に「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」を全面的に打診等により調査しなければならないとなっています。
そう、10年経っていなくても少しでも危険を感じる箇所があれば調査を行うべきなのです。
外壁調査にはどんな種類があるのですか?
外壁調査には、大きく分類すると「非破壊検査」「破壊検査」の2種類があります。
「非破壊検査」は調査対象物を破壊することなく劣化や損傷の度合いを調べるもので、代表的なものとして「打診調査」「赤外線調査」などがあります。
打診調査に関しては、実際に人が外壁にアプローチし叩いて調査をしますが、赤外線に関しては外壁に接触することはありません。
どちらも近年よく採用されている方法です。
一方、破壊検査とはその名の通り調査対象物(ここでは外壁)を“破壊”して劣化や損傷の度合いを調べるものです。
コンクリートの一部をはつりとる「はつり調査」や、タイルを引っ張って剥がして調べる「引っ張り調査」などがあります。
これらの調査をした場合には調査後の補修が必要になってきます。
非破壊調査の特徴を紹介します!
非破壊調査のには大きく3つの種類があります。
・目視調査
・打診調査
・赤外線調査
この3つです。
それぞれ特徴があるので1つずつ紹介していきます。
目視調査
まずは目視調査から紹介します。
目視調査とはその名称の通り、目視で外壁に問題がないか調査する方法です。
なかでも目視調査の場合、シーリングに問題がないかクラックはないか調査します。
基本的に弊社では、打診調査や赤外線調査など他の調査と合わせて行なっています。
シーリング調査とは
シーリング調査とは、タイルとタイルの間のシーリング(コーキング)部分の調査です。
シーリングを詳しく検査する場合には専用の道具を使用します。
シーリングが劣化し、弾性がなくなるとタイルの剥離や雨漏りの原因にもなってしまいます。
そのため特に注意が必要な部分です。
シーリングに問題のある場合、調査後にどの箇所のシーリングが劣化していたか、修繕した方が良い状態なのかなど詳しく報告しています。
クラック調査とは
クラックとは外壁のひび割れや亀裂のことを指します。基本的に目視調査が多いです。
ですが、詳しく調査する際は画像にある道具を使用する場合もあります。
こちらもシーリング同様、放置してしまうと漏水など雨漏りの原因になり得るので発見し次第、調査報告をしています。
クラック調査もシーリング調査と同じくロープアクセスによる打診調査の際に一緒に確認することが多いですが赤外線でも確認できます。
打診調査
打診用のハンマーで外壁を叩き、浮き部を探していく調査です。
調査だけの目的であれば、足場をかけずにロープアクセスで行うことが多いです。
人が至近距離で壁を叩いて調査するので、目視によりひび割れや損傷なども同時に確認していきます。
浮き部や損傷部分にはマーキングをして図面に書き込んでいきます。
打診調査のメリット
・直接タイルを叩いて調査するので赤外線に比べると制度が高い。
・足場をかけずに調査する場合、建物が覆われないので、建物の入居者や使用者にとって閉塞感やストレスがない
打診調査のデメリット
・人の手で行う分時間がある程度時間がかかる。
・1人で行える調査範囲に限界があるため、大きい建物の場合人件費がかかる。
赤外線調査
サーモグラフィーを使用して、建物から放射される赤外線エネルギーを感知して異常個所を調査します。
感知した赤外線エネルギーを電気信号に変換し熱分布画像として表されます。
赤外線調査のメリット
・打診調査と比べて広範囲の調査が可能
・時間もさほどかからない
赤外線調査のデメリット
・方法としては簡易だが、正確性としては評価が安定していない
・使用の条件が限られる(ある程度の角度や距離が必要)
破壊検査の特徴を紹介!
非破壊調査と違い、破壊調査の種類はこの2つです。
・はつり調査
・引っ張り調査
外壁調査を行う際、多くは非破壊の打診調査や赤外線調査が行われるので、破壊調査の「はつり調査」や「引っ張り調査」はあまり耳にしたことがないかもしれません。
ですが建物によっては重大な問題が隠れている可能性があるので、破壊調査でしっかりと問題点を調査する必要があります。
例えば、破壊調査の依頼をしていただくお客様の中には、「築年数が浅い割にクラックや雨漏りが多く調べて欲しい」といった声など、築年数関係なく状況によって破壊検査を行う必要があります。
はつり調査とは?
非破壊検査では正確に把握できない外壁の内部を確認するときにはつり調査を行います。
外壁のコンクリートの一部をはつりとり、鉄筋径、かぶり厚さ、腐食状況や中性化の進行状況などをはつり箇所にて測定します。
調査後の補修を踏まえて、コンクリートの損傷を極力抑えてはつります。
はつり調査のメリット
・非破壊調査では分からない建物の状態を細かく調査できる。
・直接建物の内部を調査するため調査の精度が高い。
はつり調査のデメリット
・建物の一部を削るなど壊さないといけない
・調査後に補修が必要
引っ張り調査
外壁タイルの接着力を調査するのが引っ張り検査です。
調査の流れは、まず電動カッター等で試験を行う1枚のタイル周り(四方)の目地を躯体まで切断
→周囲のタイルを養生した後で、接着剤(エポキシ樹脂ボンド)を、引張り試験器のアタッチメントに塗布
→そして試験体のタイルに樹脂ボンドを塗りつけたアタッチメントを貼り付け
→ボンドの硬化時間を確認したら試験機を取り付ける
→試験機でゆっくり油圧をかける
→タイルが剥がれた時点で、引張強度を測定
といった流れになります。
引っ張り調査のメリット
・シーリング調査より詳しい調査が可能
引っ張り調査のデメリット
・専用の機材が必要
・調査後に補修を行わないといけない
外壁調査方法の選び方は?
劣化や損傷が気になる箇所や建物の形状にもよりますが、よほど念入りに調べる必要がない場合は非破壊検査である打診調査や赤外線調査を最初に行うことが一般的です。そして、打診調査や赤外線調査で正確に把握できない内部をさらに調べる必要を感じたときには、はつり調査や引っ張り調査などを行います。予算や好みで選ぶようなことではなく、調査の目的や劣化の進行度合いに応じて方法が決まってくることが多いですね。
方法によって費用の違いはあるのですか?
費用面でいうと非破壊検査である打診調査や赤外線調査の方が安いです。
この2つを比べると、赤外線の方がさらに安価ではありますが、調査の正確性が高いのは打診調査の方です。打診調査では人が実際に壁を目視しながら検査を進めるので、ピンポイントでひび割れや損傷なども確認できるというメリットもあります。
破壊系検査は、外壁の一部を破壊して調査する手間から、複数の職人でやることが多いので人件費がかかります。そして検査後に元に戻すための補修にも日数を要するので、人件費、工期がかかってしまい、必然的に高くなるのです。
これらを踏まえると、費用面とパフォーマンスのバランスが良いのは打診調査ではないでしょうか。
ユニースでは非破壊調査はもちろん、破壊調査もご依頼可能です。
外壁の劣化はどんなに施工の精度が良くても確実に起こります。
何かが起きてからでは取り返しのつかないことになりますので、タイル壁やモルタル壁の建物のオーナー様は“10年毎”という規定に関わらず、定期的な診断をすることをお勧めします。
ユニースではロープアクセスによる打診調査を得意としております。
打診調査後の報告書作成から修繕や補修にも対応しておりますので、調査から修繕までをワンストップで行うことができます。
また破壊調査もご依頼いただくことが可能です。
非破壊での調査途中でもっと詳しく調査する必要が出た場合はもちろん、最初から破壊調査込みでの調査依頼もお請けしております。
外壁について不明点や心配点がありましたらユニースまでお気軽にお問い合わせください。