外壁タイル調査事例:神奈川県相模原市 マンション
コラム, 外壁タイル調査, 外壁調査事例 2021.4.22
東京都赤羽を中心に、ロープアクセスによる外壁タイル調査・外壁補修を行う株式会社ユニースです。
弊社は都内だけではなく、神奈川県でも外壁タイルの調査・補修を行っています。
今回は神奈川県相模原市にあるマンションの外壁調査事例をご紹介します。
築10年でタイルが剥がれる原因とは
こちらのマンションは築10年程度の7階建て。
1階部屋の庭にタイルの落下物を住居者が発見し、元請け業者から弊社に調査依頼がかかりました。
本来外壁に使われるタイルは、耐久性が非常に優れているため、少なくとも10年で経年劣化することは考えられません。
そのため今回のケースでは、
・施工不良
・立地の影響
の2つが原因として考えられました。
・施工不良
本来タイルには柱や壁などの間に「スリット」と言われる隙間を確保します。
これによりタイルへの圧を分散させ、割れるのを防いでいるのです。
スリットが十分に入っていない場合、タイルが軽度の揺れでも落下してしまう可能性があります。
・立地の影響
こちらのマンションは丘の中腹に建てられています。
全体の形状が丘に合わせて斜めになっており、左右のフロア数も異なっていました。
そのため、地盤の影響が受けやすくなっており、建物全体が地震などで揺れタイルが浮いた可能性があります。
事前のヒアリングである程度の検討をつけ現場へと向かいます。
写真で見る外壁調査
弊社では打診と触診による外壁調査を行っています。
ロープを使いタイルが剥がれている箇所を目視で確認。
弊社のロープアクセス職人は建物の調査はもちろん、改修や補修にも携わっています。
そのため広い観点から現場の状況を分析することが出来るのです。
今回依頼があったマンションの外壁調査の結果について、実際の現場写真を通して解説します。
・シーリングの深さが不十分だった
現場でタイルのシーリングの深さを測定したところ、4mmという非常に粗悪な結果が出ました。
シーリングには雨水や湿気が屋内へ侵入するのを防ぐだけでなく、地震で建物が揺れたときに緩衝材の役割を果たしてくれます。
本来シールの深さは25mm程度あっていいものです。
4mmはただ色が付いているようなものと考えていいでしょう。
これではわずかな振動でもタイルが簡単に落ちてしまう危険があります。
このマンションのように、シーリングが適切に打設されておらず、本来の機能を果たしていないことが発覚するケースは非常に多いように感じます。
こういった現状を踏まえ、外壁のパネルにシーリングとスリットが適切に設けられているかを重点的に調査するプランの拡充も進めております。
現場のニーズに合わせて柔軟なサービスを提供できるのもユニースならでは。
・調査と同時に応急処置も実施
こちらの箇所ではタイルの欠落だけでなく、タイルの膨れと地割れを確認出来ました。
また調査時点でタイルがさらに落下しそうだったのでその場で応急処置を実施。
調査だけでなく補修も行えるユニースならではの対応です。
・設計段階では読めない施工不良
タイルの施工不良の中には、設計段階で問題がなくても現場でのあらゆる工程の変更に伴ってトラブルが生じるというケースが多々あります。
コンクリートを打ったあと、そこに設置する窓の大きさが変更されることはよくあります。
また、窓サイズの大幅な変更はないにしても、窓の収まりを良くするための細かな微調整は現場で都度対応します。
すると、サイズが変わった分をタイルで埋めることになります。この時に割り付けが均等にできなくなり、やむを得ず溝の上をタイルがまたいで貼られることが起こり得ます。
本来は建物が揺れたときにシールが干渉してくれますが、タイルが貼られてしまうと建物の衝撃とタイルが直接けんかしていまい、結果タイルの耐用年数よりも早い割れや剥がれに繋がってしまうのです。
・サンプルを採取してさらに原因究明
こちらの写真ではタイルが膨らんでしまい、壁との間に空間が空いてしまっていることが分かります。
これもタイル落下の原因の一つです。
膨らみの原因として、貼り付けに使用した薬品に問題があった可能性があります。
より詳細な検査を行うためパネルのサンプルを採取し、薬品の適性や量、粘度のチェックを元請けの企業が実施。
現場調査と精密調査を併用することで原因を正確に突き止め、適切な補修内容を検討します。
調査+報告書の作成も実施
弊社では調査後、報告書の代理作成も承っております。
タイルの浮きやひび割れはもちろん、シールの不具合やエフロレッセンスという現象まで、当初依頼を受けた時には把握していなかったプラスアルファの問題点まで報告を行います。
報告書の内容はお客様のご希望に合わせてカスタム可能です。
その他外壁調査・補修工事のことでなにかご不明な点がございましたら、ぜひ株式会社ユニースへご相談ください。